OpenCV 4.2 のインストール(Windows 上)
Windows で,OpenCV 最新版をソースコードからビルドして,インストールする手順をスクリーンショット等で説明する. OpenCV (Open Computer Vision Library) は, 実時間コンピュータビジョン (real time computer vision) の アルゴリズムと文書とサンプルコードの集まり.GPU を利用するように設定する手順も説明する. NVIDIA CUDA ツールキット は,NVIDIA社が提供する GPU 用のツールキットである.GPU を用いた演算のプログラム作成や動作のための各種機能を備えている.ディープラーニングでも利用されている. NVIDIA 社のグラフィックス・カードが持つ GPU の機能を使うとき,NVIDIA CUDA ツールキット を利用することができる.
GPU は,グラフィックス・プロセッシング・ユニットの略で、コンピュータグラフィックス関連の機能,乗算や加算の並列処理の機能などがある.
【サイト内の関連ページ】
- OpenCV について [PDF] , [パワーポイント]
- OpenCV の機能とプログラム例: 別ページ »にまとめ
- Windows の Python で OpenCV を使うための Python 用 opencv-python のインストール: コマンドプロンプトを管理者権限で起動する(例:Windowsキーを押し,「cmd」と入力し,「管理者として実行」を選択)し,「python -m pip install opencv-python opencv-contrib-python」を実行する.
- Windows での OpenCV 最新版のインストール(ソースコードを使用): 別ページ »で説明
謝辞
OpenCV の作者に感謝します
OpenCV 4.2 Windows版のダウンロードとインストール
- GitHub の OpenCV の Webページを開く
- バージョンを選ぶ
OpenCV 4.2 系列が欲しい場合は, OpenCV 4.2 系列の「Assets」を展開.
他のバージョンを選んだ場合でも,これ以降のインストール手順はほぼ同じになる
- Windows 版が欲しいので「opencv- ... -vc14_vc15.exe」というような名前のファイルを選ぶ.
- ダウンロードが始まる
- ダウンロードした .exe ファイルを実行する
- 展開(解凍)先は既定(デフォルト)のままでよい.「Extract」をクリック
- 展開(解凍)が終わると「opencv」というディレクトリができ,その中にファイルができるので確認する
- 展開してできたディレクトリを,
分かりやすいディレクトリの下に移す
ここでは,「c:\tools」というディレクトリを作り,そこに移すことにしている. ディレクトリ名は何でも良いが,分かりやすくて,日本語を含まないものがよい
Windows のコマンドプロンプトを開き,次を実行
mkdir c:\tools
- 「c:\tools」の下に,先ほどできた「opencv」をコピーする
- Windows の システム環境変数 Pathに,c:\opencv\build\bin, c:\opencv\build\x64\vc15\bin を追加することにより,パスを通す.
Windows で,コマンドプロンプトを管理者権限で起動する(例:Windowsキーを押し,「cmd」と入力し,「管理者として実行」を選択)
次のコマンドを実行
powershell -command "$oldpath = [System.Environment]::GetEnvironmentVariable(\"Path\", \"Machine\"); $oldpath += \";c:\opencv\build\bin\"; [System.Environment]::SetEnvironmentVariable(\"Path\", $oldpath, \"Machine\")" powershell -command "$oldpath = [System.Environment]::GetEnvironmentVariable(\"Path\", \"Machine\"); $oldpath += \";c:\opencv\build\x64\vc15\bin\"; [System.Environment]::SetEnvironmentVariable(\"Path\", $oldpath, \"Machine\")"
- Windows の システム環境変数 OPENCV_DIR に,c:\opencv\build を設定
Windows で,コマンドプロンプトを管理者権限で起動する(例:Windowsキーを押し,「cmd」と入力し,「管理者として実行」を選択)
次のコマンドを実行
powershell -command "[System.Environment]::SetEnvironmentVariable(\"OPENCV_DIR\", \"c:\opencv\build\", \"Machine\")"
- opencv_version, opencv_createsamples にパスが通っていることを確認する
そのために,新しく Windows のコマンドプロンプトを開き,次のコマンドを実行する.
エラーメッセージが出なければOK.
where opencv_version
Python で試用する
注意: Python で OpenCV を使うときは,pip でのインストールが良い.それは簡単に行うことができる.
ここでは,「最新の OpenCV を試したい」などのときに役立つと考えて, .pyd ファイルをコピーして使う方法を説明している.が, pip の管理外のファイルを使うことになるので,あとで混乱が生じる可能性がある. 試用が終わったら消すことを検討すること.
- Python 3 の場所を調べる
「%LOCALAPPDATA%\Programs\Python\Python37\Python.exe」のように表示される.複数表示されたときは,表示の一番上を使う.この結果は,あとの設定で使う.
where python
- OpenCV の Python 用のファイルがあるディレクトリに,カレントディレクトリを移動する操作
「python-3.7」のところは,使用している Python のバージョンに合わせること.
cd c:\opencv\build\python\cv2 cd python-3.7
- ファイルを確認
dir /w
- ファイルを lib\site-packages 下にコピー
「%LOCALAPPDATA%\Programs\Python\Python37」のところは,「Python 3 の場所を調べる」で調べたディレクトリに置き換えること.copy *.pyd %LOCALAPPDATA%\Programs\Python\Python37\lib\site-packages
- OpenCV のサンプル画像 fruits.jpg のダウンロード
画像ファイル fruits.jpg のダウンロード手順は,別ページ »で説明https://github.com/opencv/opencv/tree/master/samples/data で公開されている fruits.jpg を使用している
- Pythonの画像表示プログラム
【Python の利用】
Python は,次のコマンドで起動できる.
Python 開発環境(Jupyter Qt Console, Jupyter ノートブック (Jupyter Notebook), Jupyter Lab, Nteract, Spyder, PyCharm, PyScripterなど)も便利である.
Python のまとめ: 別ページ »にまとめ
import cv2 bgr = cv2.imread('fruits.jpg') cv2.imshow("", bgr) cv2.waitKey(0) cv2.destroyAllWindows()
画像が表示されるので確認. このあと,ウインドウの右上の「x」をクリックしない.画面の中をクリックしてから,何かのキーを押して閉じる