OpenCV, OpenCV Contrib 4.10 のインストール,NVIDIA CUDA 対応可能(ソースコードを用いたインストール)(Windows 上)

【要約】 Windows環境でOpenCVをソースコードからインストールする手順を説明している.主な内容としては,OpenCVのビルドに必要な前提ソフトウェアのインストール,OpenCVとOpenCV contribのソースコードのダウンロード,CMakeを使用したビルド設定,Build Tools for Visual Studio 2022 (ビルドツール for Visual Studio 2022)を用いたビルドとインストール,システム環境変数の設定である.また,NVIDIA CUDA,Intel MKL,VTK,OpenNI2,OpenBLASなどの追加機能の統合方法も示している.インストール後の動作確認として,C++とPythonでの簡単な画像表示プログラムの例が提供されている.この方法は上級者向けで時間がかかるが,最新バージョンのOpenCVを使用したい場合や,特定の機能が必要な場合に有用である.記事全体を通して,コマンドラインの操作を具体的に示している.

OpenCV

OpenCV は,実時間コンピュータビジョン (real time computer vision) の アルゴリズムと文書とサンプルコードの集まり.

【関連する外部ページ】

【サイト内の関連ページ】

関連項目OpenCV PythonOpenCV のサンプルデータOpenCV のインストールと,C++ プログラムの実行

前準備

Python 3.10,Git,CMake,7-Zip のインストール(Windows 上)

Pythonは,プログラミング言語の1つ. Gitは,分散型のバージョン管理システム. CMakeは,クロスプラットフォームのビルドシステム生成ツール. 7-Zipは,ファイル圧縮・展開(解凍)ツール.

手順

  1. Windows で,コマンドプロンプト管理者として実行

    コマンドプロンプトを管理者として実行: 別ページ »で説明

  2. 次のコマンドを実行

    次のコマンドは,Python ランチャーとPython 3.10とGitCMake7-Zipをインストールし,Git7-Zipパスを通すものである.

    次のコマンドでインストールされるGitは 「git for Windows」と呼ばれるものであり, Git,MinGW などから構成されている.

    winget install --scope machine Python.Launcher
    winget install --scope machine Python.Python.3.10
    winget install --scope machine Git.Git
    powershell -command "$oldpath = [System.Environment]::GetEnvironmentVariable(\"Path\", \"Machine\"); $oldpath += \";c:\Program Files\Git\cmd\"; [System.Environment]::SetEnvironmentVariable(\"Path\", $oldpath, \"Machine\")"
    winget install --scope machine Kitware.CMake
    powershell -command "$oldpath = [System.Environment]::GetEnvironmentVariable(\"Path\", \"Machine\"); $oldpath += \";c:\Program Files\CMake\bin\"; [System.Environment]::SetEnvironmentVariable(\"Path\", $oldpath, \"Machine\")"
    winget install --scope machine 7zip.7zip
    powershell -command "$oldpath = [System.Environment]::GetEnvironmentVariable(\"Path\", \"Machine\"); $oldpath += \";c:\Program Files\7-Zip\"; [System.Environment]::SetEnvironmentVariable(\"Path\", $oldpath, \"Machine\")"
    

関連する外部ページ

サイト内の関連ページ

関連項目Python, Git バージョン管理システム, Git の利用, CMake ビルドシステム生成ツール, CMake の使用方法, 7-Zip

Build Tools for Visual Studio 2022 (ビルドツール for Visual Studio 2022)または Visual Studio 2022 のインストール(Windows 上)

インストールの判断Build Tools for Visual Studio は,開発ツールセットである. Visual Studio は統合開発環境であり,いくつかの種類があり,Build Tools for Visual Studioの機能を含むか連携して使用するものである.インストールは以下の基準で判断してください:

不明な点がある場合は,Visual Studio 全体をインストール を行う方が良い.

Build Tools for Visual Studio 2022 のインストール(Windows 上)

  1. Windows で,コマンドプロンプト管理者として実行

    コマンドプロンプトを管理者として実行: 別ページ »で説明

    次のコマンドを実行

    次のコマンドは,Build Tools for Visual Studio 2022と VC2015 再配布可能パッケージをインストールするものである.

    winget install --scope machine Microsoft.VisualStudio.2022.BuildTools 
    winget install --scope machine Microsoft.VCRedist.2015+.x64
    
  2. Build Tools for Visual Studio 2022 での C++ によるデスクトップ開発,CLI,ATL,MFC のインストール(Windows 上)
    1. Visual Studio Installer の起動

      起動方法: スタートメニューの「Visual Studio Installer」を選ぶ.

    2. Visual Studio Build Tools 2022 で「変更」を選ぶ.
    3. C++ によるデスクトップ開発」をクリック.そして,画面右側の「インストール」の詳細で「v143 ビルドツール用 C++/CLI サポート(最新)」,「ATL」,「MFC」をチェックする.その後,「変更」をクリック.

Visual Studio のインストール(Windows 上)

  1. Windows で,コマンドプロンプト管理者として実行

    コマンドプロンプトを管理者として実行: 別ページ »で説明

    次のコマンドを実行

    次のコマンドは,Visual Studio Community 2022と VC2015 再配布可能パッケージをインストールするものである.

    winget install --scope machine Microsoft.VisualStudio.2022.Community
    winget install --scope machine Microsoft.VCRedist.2015+.x64
    
  2. Visual Studio での C++ によるデスクトップ開発,CLI のインストール(Windows 上)
    1. Visual Studio Installer の起動

      起動方法: スタートメニューの「Visual Studio Installer」を選ぶ.

    2. Visual Studio Community 2022 で「変更」を選ぶ.
    3. C++ によるデスクトップ開発」をチェック.そして,画面右側の「インストール」の詳細で「v143 ビルドツール用 C++/CLI サポート(最新)」をチェックする.その後,「インストール」をクリック.

NVIDIA ドライバのインストール(Windows 上)

NVIDIA ドライバ

NVIDIA ドライバは,NVIDIA製GPUを動作させるための重要なソフトウェアである.このドライバをインストールすることにより,GPUの性能を引き出すことができ,グラフィックス関連のアプリ,AI関連のアプリの高速化が期待できる.

ドライバはNVIDIA公式サイトである https://www.nvidia.co.jp/Download/index.aspx?lang=jp からダウンロードできる.このサイトからダウンロードするときには,グラフィックスカードとオペレーティングシステムを選択する. なお,NVIDIA GeForce Experiance を用いてインストールすることも可能である.

サイト内の関連ページ

  1. NVIDIA グラフィックス・ボードの確認

    Windows で,NVIDIA グラフィックス・ボードの種類を調べたいときは, 次のコマンドを実行することにより調べることができる.

    wmic path win32_VideoController get name
    
  2. NVIDIA ドライバのダウンロード

    NVIDIA ドライバは,以下の NVIDIA 公式サイトからダウンロードできる.

    https://www.nvidia.co.jp/Download/index.aspx?lang=jp

  3. ダウンロードの際には,使用しているグラフィックス・ボードの型番とオペレーティングシステムを選択する.

NVIDIA CUDA ツールキット 11.8 のインストール(Windows 上)

NVIDIA CUDA ツールキットのインストール時の注意点

NVIDIAのGPUを使用して並列計算を行うためのツールセット

主な機能: GPU を利用した並列処理,GPU のメモリ管理,C++をベースとした拡張言語とAPIとライブラリ

NVIDIA CUDA ツールキットの動作に必要なもの

Windows でインストールするときの注意点

関連する外部ページ

関連項目NVIDIA CUDA ツールキット, NVIDIA CUDA ツールキット 12.5 のインストール(Windows 上), NVIDIA CUDA ツールキット 11.8 のインストール(Windows 上)

  1. Windows では,NVIDIA CUDA ツールキットインストール中は,なるべく他のウインドウはすべて閉じておくこと.
  2. Windows で,コマンドプロンプト管理者として実行

    コマンドプロンプトを管理者として実行: 別ページ »で説明

  3. 次のコマンドを実行

    次のコマンドは,NVIDIA GeForce Experience,NVIDIA CUDA ツールキット 11.8 をインストールするものである.

    wmic path win32_VideoController get name
    winget install --scope machine Nvidia.GeForceExperience
    winget install --scope machine Nvidia.CUDA --version 11.8
    powershell -command "[System.Environment]::SetEnvironmentVariable(\"CUDA_HOME\", \"C:\Program Files\NVIDIA GPU Computing Toolkit\CUDA\v11.8\", \"Machine\")"
    
  4. NVIDIA CUDA ツールキットのインストールが終わったら,ユーザ環境変数 TEMP の設定を行う.

    Windowsユーザ名が日本語のとき,nvcc がうまく動作しないエラーを回避するためである.

    ユーザ環境変数 TEMP に「C:\TEMP」を設定するために, コマンドプロンプトで,次のコマンドを実行する.

    mkdir C:\TEMP
    powershell -command "[System.Environment]::SetEnvironmentVariable(\"TEMP\", \"C:\TEMP\", \"User\")"
    

OpenCV のインストール(ソースコードを用いたインストール)(Windows 上)

gflags,glog,Ceres ソルバ(Ceres Solver)のインストール

Windows での SuiteSparse,gflags,glog,Ceres ソルバ(Ceres Solver)のインストール: 別ページ »で説明

sfm を使いたいときはインストールする.

OpenCV のインストール(ソースコードを用いたインストール)(Windows 上)

OpenCV を C:\opencv, C:\opencv_contrib にインストールする

  1. Windows で,コマンドプロンプト管理者として実行

    コマンドプロンプトを管理者として実行: 別ページ »で説明

  2. ディレクトリを削除する
    cd /d c:%HOMEPATH%
    rmdir /s /q opencv
    rmdir /s /q opencv_contrib
    
  3. OpenCV のバージョンの確認

    次のページなどで,最新バージョンのバージョン番号を確認できる.

    https://github.com/opencv/opencv

  4. OpenCV のソースコードをダウンロード
    cd /d c:%HOMEPATH%
    rmdir /s /q opencv
    git clone --recursive https://github.com/opencv/opencv.git
    
  5. OpenCV contrib のソースコードをダウンロード

    OpenCV contrib が不要の場合は,この手順は不要である

    cd /d c:%HOMEPATH%
    rmdir /s /q opencv_contrib
    git clone --recursive https://github.com/opencv/opencv_contrib.git
    
  6. Python 3 のバージョンを調べる

    バージョン 3.10 系列なのか、バージョン 3.9 系列なのか、3.8 系列なのか、3.7 系列なのか、3.6 系列なのか、調べる.この情報はあとで使う.

    下の実行例では、Python のバージョンは 3.10 系列(3.10.11) である

    python --version
    
  7. Python 3 の場所を調べる

    複数表示されたときは,表示の一番上を使う.この結果は,あとの設定で使う.

    where python
    
  8. pip と setuptools の更新.numpy, pylint, flake8 のインストール.opencv-python のアンインストール
    python -m pip install -U pip setuptools
    python -m pip install -U numpy pylint flake8
    python -m pip uninstall -y opencv-python
    python -m pip uninstall -y opencv-python-headless
    python -m pip uninstall -y opencv-contrib-python
    
  9. cmake の実行

    cmake でのオプションについて

    • cmake -G "Visual Studio 17 2022"」

      Build Tools for Visual Studio 2022 を使うときは,「cmake -G "Visual Studio 17 2022"」と設定する. Build Tools for Visual Studio 2022 のインストールは: 別ページ »で説明

      2019 のときは, 「cmake -G "Visual Studio 16 2019"」のように指定する.

    • パスの区切りは「\」でなくて「/」

      「c:\」ではなくて「c:/」のようにしている. 「\」は使わずに「/」を使う. これは、opencv_contrib の modules 下の cmake のエラーを回避するため.

    • Python 3 の設定

      次の設定では,実際に存在するファイル名を設定する必要がある. 必要に応じて,実際の自分のパソコンのファイルを検索すること.

      • -DPYTHON_DEFAULT_EXECUTABLE=C:/Program Files/Python310/python.exe
      • -DPYTHON3_EXECUTABLE=C:/Program Files/Python310/python.exe
      • -DPYTHON3_INCLUDE_DIR=C:/Program Files/Python310/include
      • -DPYTHON3_LIBRARY=C:/Program Files/Python310/libs/python310.lib
      • -DPYTHON3_NUMPY_INCLUDE_DIRS=C:/Program Files/Python310/lib/site-packages/numpy/_core/include

      * 先ほど調べた Python 3 のバージョンが、 Python 3.10 系列のときは「python310.lib」となり、 Python 3.9 系列のときは「python39.lib」となり、 Python 3.8 系列のときは「python38.lib」となり、 Python 3.7 系列のときは「python37.lib」のようにとなる.

    cmake の実行手順例は次の通り

    cd /d c:%HOMEPATH%
    cd opencv
    rmdir /s /q build
    mkdir build
    cd build
    del CMakeCache.txt
    rmdir /s /q CMakeFiles\
    cmake .. -G "Visual Studio 17 2022" -A x64 -T host=x64 ^
    -DCMAKE_BUILD_TYPE=RELEASE ^
    -DBUILD_SHARED_LIBS=ON ^
    -DWITH_CUDA=ON ^
    -DCUDA_NVCC_FLAGS="-allow-unsupported-compiler" ^
    -DCUDA_ARCH_BIN=6.1 -DCUDA_ARCH_PTX="" ^
    -DOPENCV_CUDA_ARCH_BIN=6.1,7.5,8.0,8.6 ^
    -DWITH_NVCUVID=OFF -DWITH_NVCUVENC=OFF ^
    -DBUILD_opencv_world=ON ^
    -DBUILD_opencv_apps=ON ^
    -DBUILD_opencv_sfm=OFF ^
    -DOPENCV_EXTRA_MODULES_PATH=C:%HOMEPATH%\opencv_contrib\modules ^
    -DWITH_PYTHON=ON ^
    -DBUILD_opencv_python2=OFF ^
    -DPYTHON_DEFAULT_EXECUTABLE="C:/Program Files/Python310/python.exe" ^
    -DBUILD_opencv_python3=ON ^
    -DPYTHON3_EXECUTABLE="C:/Program Files/Python310/python.exe" ^
    -DPYTHON3_INCLUDE_DIR="C:/Program Files/Python310/include" ^
    -DPYTHON3_LIBRARY="C:/Program Files/Python310/libs/python310.lib" ^
    -DPYTHON3_NUMPY_INCLUDE_DIRS="C:/Program Files/Python310/lib/site-packages/numpy/_core/include" ^
    -DBUILD_EXAMPLES=ON ^
    -DWITH_OPENGL=ON ^
    -DOPENCV_ENABLE_NONFREE=OFF ^
    -DCMAKE_INSTALL_PREFIX="C:/opencv" ^
    -DBLAS_openblas_LIBRARY="%OpenBLAS_ROOT%\lib\openblas.lib" ^
    -DGlog_DIR="%GLOG_ROOT%" ^
    -DGLOG_LIBRARY="%GLOG_ROOT%\lib\glog.lib" ^
    -DGLOG_INCLUDE_DIR="%GLOG_ROOT%\include" ^
    -DGflags_DIR="%GFLAGS_ROOT%" ^
    -DCeres_DIR="%CERES_ROOT%" ^
    -DMETIS_INCLUDE_DIR="%SUITESPARSE_ROOT%\include" ^
    -DCXSparse_INCLUDE_DIR="%SUITESPARSE_ROOT%\include\suitesparse" ^
    -DCXSparse_LIBRARY="%SUITESPARSE_ROOT%\lib\libcxsparse.lib" ^
    -DSuiteSparse_AMD_INCLUDE_DIR="%SUITESPARSE_ROOT%\include\suitesparse" ^
    -DSuiteSparse_CAMD_INCLUDE_DIR="%SUITESPARSE_ROOT%\include\suitesparse" ^
    -DSuiteSparse_CCOLAMD_INCLUDE_DIR="%SUITESPARSE_ROOT%\include\suitesparse" ^
    -DSuiteSparse_CHOLMOD_INCLUDE_DIR="%SUITESPARSE_ROOT%\include\suitesparse" ^
    -DSuiteSparse_COLAMD_INCLUDE_DIR="%SUITESPARSE_ROOT%\include\suitesparse" ^
    -DSuiteSparse_Config_INCLUDE_DIR="%SUITESPARSE_ROOT%\include\suitesparse" ^
    -DSuiteSparse_SPQR_INCLUDE_DIR="%SUITESPARSE_ROOT%\include\suitesparse" ^
    -DSuiteSparse_AMD_LIBRARY="%SUITESPARSE_ROOT%\lib\libamd.lib" ^
    -DSuiteSparse_CAMD_LIBRARY="%SUITESPARSE_ROOT%\lib\libcamd.lib" ^
    -DSuiteSparse_CCOLAMD_LIBRARY="%SUITESPARSE_ROOT%\lib\libccolamd.lib" ^
    -DSuiteSparse_CHOLMOD_LIBRARY="%SUITESPARSE_ROOT%\lib\libcholmod.lib" ^
    -DSuiteSparse_COLAMD_LIBRARY="%SUITESPARSE_ROOT%\lib\libcolamd.lib" ^
    -DSuiteSparse_Config_LIBRARY="%SUITESPARSE_ROOT%\lib\suitesparseconfig.lib" ^
    -DSuiteSparse_SPQR_LIBRARY="%SUITESPARSE_ROOT%\lib\libspqr.lib" ^
    -DINSTALL_TESTS=ON ^
    -DINSTALL_C_EXAMPLES=ON ^
    -DINSTALL_BIN_EXAMPLES=ON ^
    -DINSTALL_PYTHON_EXAMPLES=ON 
    

    cmake でのオプションの調整について

    • NVIDIA CUDA ツールキット, NVIDIA cuDNN の設定例

      例えば,上に書いた cmake でのオプションに、次を付け加えるなどが考えられる.

      -DWITH_CUDA=ON ^
      -DCUDA_FAST_MATH=ON ^
      -DWITH_CUBLAS=ON ^
      -DWITH_CUDNN=ON ^
      -DWITH_NVCUVID=ON ^
      -DOPENCV_DNN_CUDA=ON ^
      
    • Intel MKL を使いたいとき

      * Intel MKL は,「w_mkl_2019.4.245.exe」を用いてインストール済み,そして,「C:\Program Files (x86)\IntelSWTools\compilers_and_libraries_2019\windows\redist\intel64_win\tbb\vc_mt」にパスが通っているとする.

      上に書いた cmake でのオプションに、次を付け加える

      -DWITH_MKL=ON ^
      -DMKL_USE_MULTITHREAD=ON ^
      -DWITH_TBB=ON ^
      -DMKL_WITH_TBB=ON ^
      
    • VTK を使いたいとき

      上に書いた cmake でのオプションに、次を付け加える

      * Windows での VTK のインストール手順は、 「Windows で VTK 最新版をソースコードからビルドして、インストールする(Build Tools for Visual Studio を利用)」で説明している.

      -DWITH_VTK=ON ^
      -DVTK_DIR="C:/tools/VTK" ^
      
    • OpenNI2 を使いたいとき

      上に書いた cmake でのオプションに、次を付け加える

      * Windows でのインストール手順は、 「Windows で libPCL 1.9.0, Boost, Eigen, OpenNI 2.2, NITE2 のインストール」で説明している.

      -DWITH_OPENNI2=ON ^
      -DOPENNI2_INCLUDE="C:/Program Files/OpenNI2/include" ^
      -DOPENNI2_LIB="C:/Program Files/OpenNI2/lib" ^
      -DOPENNI2_REDIST="C:/Program Files/OpenNI2/Redist" ^
      
    • OpenBLAS を使いたいとき

      上に書いた cmake でのオプションに、次を付け加える

      Windows での OpenBLAS (BLAS, CBLAS, LAPACK, LAPACKE)のインストール(ソースコードを使用)(Build Tools for Visual Studio を利用): 別ページ »で説明

      -DOpenBLAS_LIB="%OpenBLAS_ROOT%\lib\openblas.lib" ^
      -DOpenBLAS_INCLUDE_DIR="%OpenBLAS_ROOT%\include\openblas" ^
      -DWITH_LAPACK=ON ^
      -DLAPACK_LIBRARIES="C:/tools/lapack-release/lib/lapack.lib" ^
      -DLAPACK_INCLUDE_DIR="C:/tools/lapack-release/CBLAS/include" ^
      -DLAPACK_CBLAS_H="C:/tools/lapack-release/CBLAS/include/cblas.h" ^
      
  10. cmake の実行結果の確認

    Python 3 のところが自動設定される(Python 3 を使わない場合は,その設定は無視)

    * 下図のとおりになるとは限らない.

    * エラーメッセージが出た場合には,うまくいっていない.設定を変えてやり直す

  11. ソースコードからビルドし、インストールする

    終了するまでしばらく待つ.

    cmake --build . --config RELEASE
    cmake --build . --config RELEASE --target INSTALL
    
  12. 結果の確認

    エラーが無ければ,インストールが終わっている.エラーメッセージが出ていないことを確認. そして,インストールが終わっていることも確認.

    * 黄色の警告メッセージは無視しても良い

  13. Windowsシステム環境変数 Pathに,次を追加することにより,パスを通す
    • C:\opencv\x64\vc17\bin を追加
    • C:\opencv\bin を追加

    Windows で,コマンドプロンプト管理者として実行

    コマンドプロンプトを管理者として実行: 別ページ »で説明

    次のコマンドを実行

    powershell -command "$oldpath = [System.Environment]::GetEnvironmentVariable(\"Path\", \"Machine\"); $oldpath += \";C:\opencv\x64\vc17\bin\"; [System.Environment]::SetEnvironmentVariable(\"Path\", $oldpath, \"Machine\")"
    powershell -command "$oldpath = [System.Environment]::GetEnvironmentVariable(\"Path\", \"Machine\"); $oldpath += \";C:\opencv\bin\"; [System.Environment]::SetEnvironmentVariable(\"Path\", $oldpath, \"Machine\")"
    
  14. Windowsシステム環境変数 LIB の設定

    次を追加する

    C:\opencv\x64\vc17\staticlib

    そのために Windows で,コマンドプロンプト管理者として実行

    コマンドプロンプトを管理者として実行: 別ページ »で説明

    次のコマンドを実行

    powershell -command "$oldpath = [System.Environment]::GetEnvironmentVariable(\"LIB\", \"Machine\"); $oldpath += \";C:\opencv\x64\vc17\staticlib\"; [System.Environment]::SetEnvironmentVariable(\"LIB\", $oldpath, \"Machine\")"
    
  15. Windowsシステム環境変数 OPENCV_ROOT に,c:\opencv を設定

    Windows で,コマンドプロンプト管理者として実行

    コマンドプロンプトを管理者として実行: 別ページ »で説明

    次のコマンドを実行

    powershell -command "[System.Environment]::SetEnvironmentVariable(\"OPENCV_ROOT\", \"c:\opencv\", \"Machine\")"
    
  16. Python 関係のファイルもインストールされていることを確認

    Python310」のところは,実際の Python インストールディレクトリに読み替えて実行すること.

    dir "C:\Program Files\Python310\lib\site-packages\cv2"
    

    * Python 関係のファイルがインストールされていない場合でも,Python ローダ (python loader) を使用することは推奨しない.(Python ローダを使用すると,エラーが出たときに,Python のインストールからやり直す可能性がある.Python ローダをよく知らずに実行するのは避けること)

  17. Python でOpenCV のバージョン確認
    python -c "import cv2; print( cv2.__version__ )"
    

OpenCV を用いた画像表示の例

OpenCV で画像表示を行う C++ プログラム

  1. エディタを起動

    ここではメモ帳 (notepad) を使っている.

    Windows では,Visual Studio の x64 Native Tools コマンドプロンプトを使う.(Windows のスタートメニューで起動できる). そして,次のように実行して,C++ のプログラムファイルを作る. そのファイル名は a.cpp としている.

    c:
    cd /d c:%HOMEPATH%
    notepad a.cpp
    
  2. いまメモ帳で開いたファイルを, 次のように編集する(コピー&ペーストしてください). そしてファイル名 a.cpp で保存する.
    #include<opencv2/opencv.hpp>
    
    int main (int argc, char *argv[])
    {
      cv::Mat bgr = cv::imread("c:/opencv/sources/samples/data/fruits.jpg");
      cv::imshow("", bgr);
      cv::waitKey(0);
      cv::destroyAllWindows();
    
      return 0;
    }
    
  3. Windows では,Visual Studio の x64 Native Tools コマンドプロンプトを使う.(Windows のスタートメニューで起動できる).次のように実行する.
    cl /I"c:\opencv\include" a.cpp /link /LIBPATH:"c:\opencv\x64\vc17\staticlib" opencv_world4100.lib
    .\a.exe
    
  4. 画像表示が行われる.画面をクリックし,なにかのキーを押して閉じる.

OpenCV で画像表示を行う Python プログラム

  • Python プログラムの実行

    Python プログラムの実行

    Python 開発環境(Jupyter Qt Console, Jupyter ノートブック (Jupyter Notebook), Jupyter Lab, Nteract, Spyder, PyCharm, PyScripterなど)も便利である.

    Python のまとめ: 別ページ »にまとめ

    python
    
    import cv2
    bgr = cv2.imread('c:/opencv/sources/samples/data/fruits.jpg')
    cv2.imshow("", bgr)
    cv2.waitKey(0)
    cv2.destroyAllWindows()
    

    画像が表示されるので確認. このあと,ウインドウの右上の「x」をクリックしない.画面の中をクリックしてから,何かのキーを押して閉じる

    【まとめ】WindowsでのOpenCVのソースコードからのインストールから,カスタム設定,動作確認までの一連のプロセスを説明