【要約】 Windows上でOpenCV(Open Source Computer Vision Library)をインストールし,動作確認を行う手順を説明している.主な内容としては,GitHubからのダウンロード,ファイルの展開と配置,システム環境変数の設定である.特に,PATHやOPENCV_DIRなどの環境変数の設定方法が具体的に示している.動作確認では,C++とPythonの両方で画像表示プログラムの例を示し,Visual StudioのコマンドプロンプトやPythonインタープリタを使用したコンパイルと実行方法を説明している.また,Pythonでの利用に関しては,pipを使用したインストール方法も言及されている.各ステップでは,具体的なコマンドラインの操作が示し,確認手順も示している.
【目次】
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【OpenCV の公式情報】
【インストールの判断】 Build Tools for Visual Studio は,開発ツールセットである. Visual Studio は統合開発環境であり,いくつかの種類があり,Build Tools for Visual Studioの機能を含むか連携して使用するものである.インストールは以下の基準で判断してください:
Visual Studio 2022 をインストールする際に,「C++ によるデスクトップ開発」を選択することで, Build Tools for Visual Studio 2022 の機能も一緒にインストールされる.
不明な点がある場合は,Visual Studio 全体をインストール を行う方が良い.
コマンドプロンプトを管理者として実行: 別ページ »で説明
次のコマンドを実行
次のコマンドは,Build Tools for Visual Studio 2022と VC2015 再配布可能パッケージをインストールするものである.
起動方法: スタートメニューの「Visual Studio Installer」を選ぶ.
コマンドプロンプトを管理者として実行: 別ページ »で説明
次のコマンドを実行
次のコマンドは,Visual Studio Community 2022と VC2015 再配布可能パッケージをインストールするものである.
起動方法: スタートメニューの「Visual Studio Installer」を選ぶ.
下図では,OpenCV 4.9.0 を選んで, 「Assets」を展開している.
他のバージョンを選んだ場合でも,これ以降のインストール手順はほぼ同じになる
ここでは,「c:\opencv」にファイルを置くことにしている. この「c:\opencv」 は何に変えてもよいが,分かりやすくて,日本語を含まないものがよい
コマンドプロンプトを管理者として実行: 別ページ »で説明
次のコマンドを実行.
「c:\opencv」は,実際にコピーしたディレクトリに合わせること.
powershell -command "$oldpath = [System.Environment]::GetEnvironmentVariable(\"Path\", \"Machine\"); $oldpath += \";c:\opencv\build\bin\"; [System.Environment]::SetEnvironmentVariable(\"Path\", $oldpath, \"Machine\")" powershell -command "$oldpath = [System.Environment]::GetEnvironmentVariable(\"Path\", \"Machine\"); $oldpath += \";c:\opencv\build\x64\vc16\bin\"; [System.Environment]::SetEnvironmentVariable(\"Path\", $oldpath, \"Machine\")"
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次のコマンドを実行
powershell -command "[System.Environment]::SetEnvironmentVariable(\"OPENCV_DIR\", \"c:\opencv\build\", \"Machine\")"
そのために,新しく Windows のコマンドプロンプトを開き,次のコマンドを実行する.
エラーメッセージが出なければOK.
where opencv_version opencv_version
cd %HOMEPATH% notepad a.cpp
このプログラムは,OpenCVライブラリを使用して、指定された画像ファイル(fruits.jpg)を読み込み、画面に表示する。キー入力があるまで画像を表示し続け、キー入力後に画面を閉じてプログラムを終了する。
#include <opencv2/opencv.hpp> int main(int argc, char* argv[]) { cv::Mat bgr = cv::imread("c:/opencv/sources/samples/data/fruits.jpg"); cv::imshow("", bgr); cv::waitKey(0); cv::destroyAllWindows(); return 0; }
Windows では,Visual Studio の x64 Native Tools コマンドプロンプトを使う.(Windows のスタートメニューで起動できる).次のように実行して,C++ のプログラムファイル a.cpp を作り,実行する.
cd /d c:%HOMEPATH% cl /I"c:\opencv\build\include" a.cpp /link /LIBPATH:"c:\opencv\build\x64\vc16\lib" opencv_world490.lib .\a.exe
プログラム実行により,画像表示が行われる.画面をクリックし,なにかのキーを押して閉じる.
注意: Python で OpenCV を使うときは,pip でのインストールが良い. それは別ページ »で説明簡単に行うことができる.
ここでは,「最新の OpenCV を試したい」などのときに役立つと考えて, システムの環境変数 PYTHONPATH の設定により,OpenCV を使う方法を説明する. pip の管理外のファイルにパスを通すことになるので,あとで混乱が生じる可能性がある. 試用が終わったら,システムの環境変数 PYTHONPATH の設定を元に戻すことも検討すること.
コマンドプロンプトを管理者として実行: 別ページ »で説明
python -m pip install -U numpy
カレントディレクトリを移動する操作
cd c:\opencv\build\python
「cv2」というディレクトリ(フォルダ)があれば OK.
dir /w
OpenCV の Python 用のファイルがあるディレクトリを設定する.
コマンドプロンプトを管理者として実行: 別ページ »で説明
次のコマンドを実行.
powershell -command "$oldpythonpath = [System.Environment]::GetEnvironmentVariable(\"PYTHONPATH\", \"Machine\"); $oldpythonpath += \";c:\opencv\build\python\"; [System.Environment]::SetEnvironmentVariable(\"PYTHONPATH\", $oldpythonpath, \"Machine\")"
Python プログラムの実行
Python 開発環境(Jupyter Qt Console, Jupyter ノートブック (Jupyter Notebook), Jupyter Lab, Nteract, Spyder, PyCharm, PyScripterなど)も便利である.
Python のまとめ: 別ページ »にまとめ
python
このプログラムは、OpenCVを使用して画像ファイル 'fruits.jpg' を読み込み、ウィンドウに表示します。キー入力があるまで画像が表示され続け、キー入力後にウィンドウが閉じます。
import cv2 bgr = cv2.imread('c:/opencv/sources/samples/data/fruits.jpg') cv2.imshow("", bgr) cv2.waitKey(0) cv2.destroyAllWindows()
画像が表示されるので確認. このあと,ウインドウの右上の「x」をクリックしない.画面の中をクリックしてから,何かのキーを押して閉じる
【まとめ】WindowsでのOpenCVのインストールから,C++とPythonでの動作確認までの一連のプロセスを説明.