Blender 最新版のインストール(ソースコードを使用)(Ubuntu 上)
- ファイル形式は,Stanford Triangle Format (ply), Wavefront OBJ (obj), Universal Scene Description (usd), glTF 2.0 (glb, gltf), Stereo-Lithography (stl), Filmbox (fbx) 等に対応.
- Windows 版, Linux 版, macOS 版がある.
このページでは,Blender の開発版(main ブランチ)または任意のリリースブランチのソースコードを取得し,Ubuntu 上でビルドする手順を説明する. ビルドには数十分から数時間を要し,ソースコードとライブラリ,ビルド生成物を合わせて数十 GB のディスク容量を使用する. ビルドを行わずに Blender を使う場合は,Blender 公式サイトが配布するビルド済みバイナリを用いる方法がある(別ページ »で説明).
【目次】
- 前準備
- Blender 最新版のインストール(ソースコードを使用)(Ubuntu 上)
- Blenderに Wavefront OBJ形式ファイルをインポート
- Blender の Python コンソール (Blender Python console) を使ってみる
サイト内の関連 Web ページ:
- Blender の演習教材や実演は,別ページ »にまとめ
- Windows での Blender,Blender の Python モジュールのインストール(ソースコード,Build Tools for Visual Studio を使用): 別ページ »で説明
キーワード:Blender, ソースコードからのビルド, CMake, Git LFS, Wavefront OBJ, インポート
前準備
Ubuntu のシステム更新
Ubuntu で OS のシステム更新を行うときは, 端末で,次のコマンドを実行する。これは,パッケージ情報を最新の状態に保ち,インストール済みのパッケージをセキュリティアップデートやバグ修正を含めて更新するためである。
# パッケージリストの情報を更新
sudo apt update
# インストール済みのパッケージを包括的に更新 (依存関係も考慮)
sudo apt full-upgrade
# カーネル更新等で実際に再起動が必要な場合のみ実行を推奨
# sudo shutdown -r now
C/C++ コンパイラと Make とビルドツールのインストール
ソフトウェアをソースコードからビルドするには,C/C++コンパイラ (通常はGCC) や make ユーティリティといった開発ツールが必要である。Ubuntuでは,これらのツールは build-essential パッケージにまとめられている。インストールするには,端末で,次のコマンドを実行する。
sudo apt -y install build-essential libtool texinfo dpkg-dev pkg-config
libtool, texinfo, dpkg-dev, pkg-config は,ビルドやパッケージ管理の際に用いられる開発関連ツールである。
Blender が使用する Python のバージョン
Blender は,Blender 専用の Python を同梱して動作する。同梱される Python のバージョンは Blender のバージョンごとに決まっており, Blender 4.2 LTS,4.5 LTS,5.0 では Python 3.11,Blender 5.1 以降では Python 3.13 である(Blender 5.1 で VFX Reference Platform 2026 に合わせて更新された)。
ビルドした Blender が実際に使用している Python のバージョンは, 端末で,次のコマンドを実行して確認できる。
~/blender-git/build_linux/bin/blender --background --python-expr "import sys; print(sys.version)"
Blender 最新版のインストール(ソースコードを使用)(Ubuntu 上)
make update が自動で取得する。
- Blender のビルドに必要な基本ツールのインストール
ソースコードとライブラリの取得には git と git-lfs が必要である。 端末で,次のコマンドを実行する。
sudo apt update sudo apt -y install python3 git git-lfs - Blender のソースコードの取得
端末で,次のコマンドを実行する。 ここでは,ホームディレクトリの下の
blender-gitディレクトリを使用する。mkdir -p ~/blender-git cd ~/blender-git git clone https://projects.blender.org/blender/blender.gitgit cloneで取得されるのは,開発版である main ブランチである。 リリース版のソースコードをビルドする場合は,取得後にリリースブランチを指定する (次の例は Blender 5.2 LTS のリリースブランチ)。cd ~/blender-git/blender git checkout blender-v5.2-release - Blender のビルドの前提ソフトウェアのインストール
Blender のソースコードに付属のスクリプト install_linux_packages.py が, ディストリビューションに応じた前提パッケージをインストールする。 端末で,次のコマンドを実行する。 スクリプトの内部で
sudoが使用されるため,パスワードの入力を求められる。cd ~/blender-git/blender ./build_files/linux/install_linux_packages.py同等のパッケージを apt で直接インストールする場合は次の通りである。sudo apt update sudo apt -y install build-essential git git-lfs cmake libx11-dev libxxf86vm-dev libxcursor-dev libxi-dev libxrandr-dev libxinerama-dev libegl-dev sudo apt -y install libwayland-dev wayland-protocols libxkbcommon-dev libdbus-1-dev linux-libc-dev - ライブラリの取得とビルド
make updateは,ソースコード,アドオン,およびプリコンパイル済みライブラリを最新の状態に更新する。 その後,makeでビルドを行う。 端末で,次のコマンドを実行する。cd ~/blender-git/blender make update makeIntel および AMD の x86_64 Linux では,プリコンパイル済みライブラリの使用が公式に推奨されている。 これらは Rocky Linux 8 上で VFX Reference Platform に準拠してビルドされたものであり,他のディストリビューションでも動作する。 かつて用いられていたinstall_deps.shによる依存ライブラリのソースからのビルドは, Blender のプラットフォーム保守者向けの用途に限られる。 - 終了の確認
エラーメッセージが出ていないことを確認する。 ビルドされた実行ファイルは ~/blender-git/build_linux/bin に置かれる。
ソースコードの更新後にビルドが失敗する場合は,ビルドディレクトリ~/blender-git/build_linuxを削除し,makeをやり直すことで解決する場合がある。 - Blender が使用する Python の確認
端末で,次のコマンドを実行する。
ls -al ~/blender-git/build_linux/bin/*/python/bin
- Blender が使用する Python での pip の有効化と更新
Blender 同梱の Python には
ensurepipが含まれている。 端末で,次のコマンドを実行して pip を有効化し,更新を行う。cd ~/blender-git/build_linux/bin/*/python/bin ./python3.* -m ensurepip --upgrade ./python3.* -m pip install -U pip setuptools
- 確認のため,Blender が使用する Python で lxml, six のインストールを行ってみる
Blender が使用する Python でパッケージをインストールするときは,同様の手順になる。 なお,numpy は Blender に同梱されているため,通常は追加インストールを行わない。
cd ~/blender-git/build_linux/bin/*/python/bin ./python3.* -m pip install -U lxml ./python3.* -m pip install -U six
- Blender を起動して動作を確認する
端末で,次のコマンドを実行する。
~/blender-git/build_linux/bin/blender
- パスを通す設定
端末で,次のコマンドを実行する.
export PATH=${HOME}/blender-git/build_linux/bin:${PATH} echo 'export PATH=${HOME}/blender-git/build_linux/bin:${PATH}' >> ${HOME}/.bashrc
Blenderに Wavefront OBJ形式ファイルをインポート
<前準備>
説明のため Wavefront OBJ形式ファイル,Wavefront MTL形式ファイルを使う. この資料で使用している Wavefront OBJ形式ファイル, Wavefront MTL形式ファイルは,次からダウンロードできる
Wavefront OBJ 形式ファイルとは 3次元コンピュータグラフィックスのファイル形式.頂点座標や面(ポリゴン)などの形状情報が書かれているファイル.
Wavefront MTL 形式ファイルとは マテリアル(材質)の情報が書かれているファイル.OBJ ファイルから参照される.
- Blender を起動
端末で,次のコマンドを実行する。 パスが通っている場合は「blender」だけでよい。
~/blender-git/build_linux/bin/blender
- Blender が起動するので確認
- Blender のメニュー等の日本語化
メニューで「Edit(編集)」,「Preferences(プリファレンス)」と操作し, 「Interface(インターフェイス)」の「Translation(翻訳)」をオンにしたうえで, 「Language(言語)」を「Japanese (日本語)」に設定する. 「Interface(インターフェイス)」,「Tooltips(ツールチップ)」, 「New Data(新規データ)」のチェックにより,翻訳の適用範囲を選べる.
- Wavefront obj ファイルをインポートする.
メニューで「ファイル (File)」,「インポート (Import)」と操作し「Wavefront (.obj)」を選択
- インポートしたいファイルを選び,「OBJ をインポート」をクリック.
(ここでは sample.obj を選んでいる)
次の2つのファイルをダウンロードして使っている. - インポート結果の確認
sample.obj をインポートした場合,マウスホイールを操作してズームアウトしていくと,オブジェクトが現れる.
Blender の Python コンソール (Blender Python console) を使ってみる
Blender での画面の切り替え
- 画面上部のワークスペースタブで「Scripting(スクリプティング)」を選ぶ.
あるいは,任意の領域の左上にあるエディタータイプのアイコンから「Python コンソール」を選ぶ.
- Python コンソールの画面が開くので確認する
このコンソールは Blender 組み込みの Python インタプリタであり, 起動時に bpy モジュールがインポート済みの状態になっている.
Blender Python コンソール (Blender Python console) で Python スクリプトを実行してみる
- Blender オブジェクトの一覧表示を行ってみる.
コンソール画面で次を実行
for i in bpy.data.objects: print(i.name)Blender オブジェクトが確認できる(起動直後の初期シーンでは Camera, Cube, Light の 3つ)