【要約】 OpenCV のインストールと動作確認(Windows 上)について.OpenCVは実時間コンピュータビジョンのためのアルゴリズムとサンプルコードの集まりであり,顔認識や物体認識,画像処理など多様な機能を持つ.Windows上でのインストール手順は,OpenCVの公式ページから最新バージョンをダウンロードし,展開して指定のディレクトリに配置する.また,システム環境変数を設定することでOpenCVを使用することができる.C++やPythonを使った画像表示の例も提供され,それらを実行することでOpenCVの動作確認ができる.
OpenCV は,実時間コンピュータビジョン (real time computer vision) の アルゴリズムと文書とサンプルコードの集まり.
【サイト内の OpenCV 関連ページ】
【OpenCV の公式情報】
下図では,OpenCV 4.6.0 を選んで, 「Assets」を展開している.
他のバージョンを選んだ場合でも,これ以降のインストール手順はほぼ同じになる
ここでは,「c:\opencv」にファイルを置くことにしている. この「c:\opencv」 は何に変えてもよいが,分かりやすくて,日本語を含まないものがよい
コマンドプロンプトを管理者として実行: 別ページ »で説明
次のコマンドを実行.
「c:\opencv」は,実際にコピーしたディレクトリに合わせること.
powershell -command "$oldpath = [System.Environment]::GetEnvironmentVariable(\"Path\", \"Machine\"); $oldpath += \";c:\opencv\build\bin\"; [System.Environment]::SetEnvironmentVariable(\"Path\", $oldpath, \"Machine\")" powershell -command "$oldpath = [System.Environment]::GetEnvironmentVariable(\"Path\", \"Machine\"); $oldpath += \";c:\opencv\build\x64\vc15\bin\"; [System.Environment]::SetEnvironmentVariable(\"Path\", $oldpath, \"Machine\")"
コマンドプロンプトを管理者として実行: 別ページ »で説明
次のコマンドを実行
powershell -command "[System.Environment]::SetEnvironmentVariable(\"OPENCV_DIR\", \"c:\opencv\build\", \"Machine\")"
そのために,新しく Windows のコマンドプロンプトを開き、次のコマンドを実行する.
エラーメッセージが出なければOK.
where opencv_version opencv_version
Windows での Visual Studio Community 2022 のインストール: 別ページ »で説明している.
Build Tools for Visual Studio 2022 (ビルドツール for Visual Studio 2022) のインストール: 別ページ »で説明している.
ファイル名 a.cpp で保存.
#include<opencv2/opencv.hpp> int main (int argc, char *argv[]) { cv::Mat bgr = cv::imread("c:/opencv/sources/samples/data/fruits.jpg"); cv::imshow("", bgr); cv::waitKey(0); cv::destroyAllWindows(); return 0; }
Windows では,Visual Studio の x64 Native Tools コマンドプロンプトを使う.(Windows のスタートメニューで起動できる).次のように実行して,C++ のプログラムファイル a.cpp を作り,実行する.
cd C:\opencv\sources\samples\data notepad a.cpp cl /I"c:\opencv\include" a.cpp /link /LIBPATH:"c:\opencv\x64\vc15\lib" opencv_world460.lib .\a.exe
画像表示が行われる.画面をクリックし,なにかのキーを押して閉じる.
注意: Python で OpenCV を使うときは,pip でのインストールが良い. それは別ページ »で説明している.簡単に行うことができる.
ここでは,「最新の OpenCV を試したい」などのときに役立つと考えて, システムの環境変数 PYTHONPATH の設定により,OpenCV を使う方法を説明する. pip の管理外のファイルにパスを通すことになるので,あとで混乱が生じる可能性がある. 試用が終わったら,システムの環境変数 PYTHONPATH の設定を元に戻すことも検討すること.
コマンドプロンプトを管理者として実行: 別ページ »で説明
python -m pip install -U numpy
カレントディレクトリを移動する操作
cd c:\opencv\build\python
「cv2」というディレクトリ(フォルダ)があれば OK.
dir /w
OpenCV の Python 用のファイルがあるディレクトリを設定する.
コマンドプロンプトを管理者として実行: 別ページ »で説明
次のコマンドを実行.
powershell -command "$oldpythonpath = [System.Environment]::GetEnvironmentVariable(\"PYTHONPATH\", \"Machine\"); $oldpythonpath += \";c:\opencv\build\python\"; [System.Environment]::SetEnvironmentVariable(\"PYTHONPATH\", $oldpythonpath, \"Machine\")"
Python プログラムを実行する
import cv2 bgr = cv2.imread('c:/opencv/sources/samples/data/fruits.jpg') cv2.imshow("", bgr) cv2.waitKey(0) cv2.destroyAllWindows()
画像が表示されるので確認. このあと,ウインドウの右上の「x」をクリックしない.画面の中をクリックしてから,何かのキーを押して閉じる