3DGS Render by KIRI Engine 5.0 インストール・利用ガイド

概要

3DGS Render by KIRI Engineは,Blender上で3DGS(3D Gaussian Splatting)形式のPLYファイルをインポート,編集,レンダリングするためのアドオンである。3D Gaussian Splattingは,3次元空間に配置した楕円体(スプラット)の集合により情景を表現する手法である。本ガイドはバージョン5.0を対象とし,インストール手順,Edit モードとRender モードの使い分け,および制限事項を解説する。アドオンはオープンソースであり,KIRI Engineがリポジトリを保有したうえで,コミュニティ主体の保守に移行している。対応するBlenderのバージョンや既知の問題は,GitHubのリリースページの記載が基準となる。

目次

  1. 前準備
  2. 対応環境と前提条件
  3. インストール手順
  4. Edit モードとRender モード
  5. 基本的な使用方法
  6. 表示とカメラの設定
  7. レンダリング
  8. 制限事項と注意点
  9. サンプル3DGSファイルの入手

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前準備

Blenderは,3次元コンピュータグラフィックス・アニメーションソフトウェアである.3次元モデルの編集,レンダリング,光源やカメラ等の設定による3次元コンピュータグラフィックス・アニメーション作成機能がある.

メニューの日本語化を行っておくと使いやすい.「編集(Edit)→プリファレンス(Preferences)→インターフェイス(Interface)→翻訳(Translation)」で設定できる.

1. 対応環境と前提条件

2. インストール手順

アドオンの入手

Blenderへのインストール

次のいずれかの方法でインストールする。

  1. ダウンロードしたZIPファイルを,ファイルブラウザからBlenderの3Dビューポートへドラッグ&ドロップし,表示される確認ウィンドウで「OK」をクリックする
  2. Blenderで「編集(Edit)→プリファレンス(Preferences)→アドオン(Get Extensions)」を開き,右上のメニューから「Install from Disk」を選び,ダウンロードしたZIPファイルを選ぶ

インストール後,3DビューポートでNキーを押してサイドバーを表示し,アドオンのタブを開く。

3. Edit モードとRender モード

アドオンの機能は「Active Mode」で切り替える。

Edit モードで3DGSオブジェクトに色を付けて表示する際は,マテリアルとシェーダによる描画となるため,レンダーエンジンをEeveeに設定する。

4. 基本的な使用方法

3DGSファイルのインポート

  1. 3DビューポートでNキーを押してサイドバーを表示し,アドオンのタブを開く
  2. 「Active Mode」で「Edit」を選ぶ
  3. 「Import」メニューを開く
  4. 「Import as」でVerts(頂点)またはFaces(面)を選ぶ。広い範囲の点をまとめて削除する場合や,主にRender モードで使う場合はVertsが軽い。細部を手作業で編集する場合や頂点ペイントを使う場合はFacesを選ぶ。インポート後もCtrl + Aキーのメニューから相互に変換できる
  5. Render モードで使うため「Create Proxy Object」を有効のままにする
  6. 「Import PLY」ボタンをクリックし,3DGS形式のPLYファイルを選ぶ。データ量が多い場合は処理の終了まで待つ
  7. インポートしたオブジェクトを選択し,「Rotate Active To Blender Axes」を押す。多くの3DGSソフトウェアはBlenderと座標軸の向きが異なるため,この操作で正しい向きになる

回転や拡大縮小を確定させる場合は,Blender標準の適用(Apply)ではなく,Ctrl + Aキーのメニューにあるアドオンの「Apply 3DGS Transforms」を使う。これによりスプラットの回転・スケールと球面調和関数(SH)の属性も併せて更新される。

5. 表示とカメラの設定

インポート直後の3DGSオブジェクトは「Camera Updates」が無効に設定されている。Edit モードでは各スプラットに対応する面をカメラやビューに正対させる更新処理が必要で,この処理は負荷が高い。編集中は更新を無効にするか,「Show as Point Cloud」(スプラットの中心点のみを表示するモード)を使うと表示が軽くなる。点の大きさは「Point Radius」で調整する。

  1. 「Active 3DGS Object」メニューで「Show as Point Cloud」または「Disable Camera Updates」を選ぶ
  2. オブジェクトの回転・移動・拡大縮小を行い,配置を決める。カメラのアニメーションもこの状態で設定する
  3. 配置が決まったら「Enable Camera Updates」を選び,さらに「Use Active Camera」を有効にする。これにより,面の向きがシーンのアクティブカメラに追従して更新される

「Use Active Camera」を有効にすると,Frustum Cull(カメラの視野外のスプラットを除外する)とDistance Cull(カメラからの距離で除外する)の設定が使える。これらの効果はEdit モードの表示に反映される。Render モードにも反映させる場合は,「Modifiers」メニューからCamera Cullモディファイアを追加する。

Camera Cullモディファイア

  1. シーンにカメラを追加し,スキャンの一部が見える位置に置く
  2. 3DGSオブジェクトを選択し,「Modifiers」メニューを開いて「Camera Cull」を追加する
  3. Auto Set Up」ボタンを押し,現在のカメラ設定(焦点距離等)とシーンの解像度設定にカリングのパラメータを合わせる
  4. 「Padding」でカメラの視野境界と削除される面との余裕を設定する。0にするとカメラの移動時にちらつきが生じるため,余裕を持たせる
  5. カメラからの距離による除外は「Closer Than」「Further Than」で設定する。カメラ近傍に浮遊する不要なスプラット(フローティングスプラット)は「Closer Than」で除去できる

6. レンダリング

Edit モードのマテリアル設定には,最終レンダリング向けのHQモード(高品質モード)と,作業中の表示に適したLQモード(低品質モード)がある。作業中はLQモードまたは「Show as Point Cloud」を使い,レンダリング時にHQモードへ切り替える。HQモードでシェーディングが「Shadeless」(陰影計算を行わないモード)のときは,サンプル数を1にすると処理が速くなる。

Render モードでのレンダリング手順は次のとおりである。

  1. 「Active Mode」で「Render」を選ぶ
  2. 「Render」サブメニューを開く。アニメーション全体を出力する場合は「Render Animation」を有効にする。1フレームのみのときは無効のままにする
  3. まず1フレームをレンダリングし,設定を確認する
  4. シーンのメッシュオブジェクトと合成する場合は「Combine With Native Render」を有効にする。この場合,一時ファイルが先に出力され,その後に合成画像が出力される
  5. 「Render」を押す。レンダリングは開始後に中断できない。進行状況は出力先フォルダに生成される画像で確認する

Render モードは画像形式での出力を前提としており,動画形式の出力は選べない。

7. 制限事項と注意点

8. サンプル3DGSファイルの入手

各機能の詳細は,公式ドキュメントおよびリリースに添付された更新履歴を参照する。