KIRI Engine 3DGS Render 3.0 インストール・利用ガイド

【概要】KIRI Engine 3DGS Render 3.0は,Blender上で3DGS(3D Gaussian Splatting)形式のPLYファイルをインポートおよびレンダリングするためのアドオンである。3D Gaussian Splattingは,3次元空間に配置した楕円体(スプラット)の集合により情景を表現する手法である。本ガイドは3.0版を対象とし,インストール手順,基本的な使用方法,および高度な機能を解説する。

【目次】

  1. システム要件と前提条件
  2. インストール手順
  3. 基本的な使用方法
  4. 高度な機能と最適化
  5. 制限事項と注意点
  6. サンプル3DGSファイルの入手

1. システム要件と前提条件

対応環境

2. インストール手順

アドオンの入手

以下のいずれかの方法でアドオンのZIPファイルを入手する。

Blenderへのインストール

  1. ダウンロードしたZIPファイルを,ファイルブラウザからBlenderの3Dビューポートへドラッグ&ドロップする
  2. 表示される確認ウィンドウで「OK」をクリックする

3. 基本的な使用方法

3DGSファイルのインポート

本アドオンは3DGSオブジェクトの表示にマテリアルおよびシェーダ機能を用いるため,マテリアルビューまたはレンダードビューでの描画はEeveeレンダーエンジンによって実行される。インポート後に色情報を含む表示を行う際は,レンダーエンジンとしてEeveeを設定する。

  1. Blenderを起動し,レンダーエンジンを「Eevee」に設定する
  2. 3DビューポートでNキーを押してサイドパネルを表示し,「KIRI Engine」タブを開く
  3. 「Active Menu」(本アドオンの機能を切り替える選択メニュー)から「3DGS」を選択する
  4. 「Import」メニューを開く
  5. 「Import PLY as Splats」ボタンをクリックすると,ファイルブラウザが開く
  6. 3DGS形式のPLYファイルを選択し,インポートを実行する
  7. インポート処理が完了するまで待機する(大きなファイルの場合,時間を要することがある)

オブジェクトの操作と表示設定

インポート直後の3DGSオブジェクトは「Camera Updates」が無効に設定されている。「Show as Point Cloud」を有効にすると,3DGSオブジェクトをスプラットの中心点のみで表示するモードに切り替わる。本モードはスプラット本体の描画を省略するため表示が軽量となり,オブジェクトの移動やカメラのアニメーション設定など編集作業に適する。

  1. 「Active 3DGS Object」メニューから「Show as Point Cloud」を選択する
  2. オブジェクトの回転・移動・スケールを調整し,適切な位置に配置する

カメラの設定

「Camera Cull Modifier」は,アクティブカメラの視野範囲外およびカメラから指定距離範囲外のスプラットを描画対象から除外するモディファイアである。これにより不要なスプラットの描画を省き,描画負荷を軽減できる。

  1. シーンにカメラを追加し,スキャンの一部が見える位置に配置する
  2. 3DGSオブジェクトを選択した状態で「Active Menu」を「3DGS」に設定し,「Modifiers」メニューを開く
  3. 「Camera Cull Modifier」を追加する。Blenderのデフォルト以外のカメラ設定(焦点距離やセンサーサイズ等)を使用している場合は「Auto Set Up」ボタンを使用し,現在のカメラ設定およびシーン設定にカリングパラメータを自動整合させる
  4. カメラビューに切り替え,3Dビューポートをカメラビューにロックする(Blender標準機能の「Camera to View」。これによりビューポートでの視点移動操作がカメラ自体の移動に反映され,構図確認とカメラ配置を同時に行える)

レンダリング準備と実行

インポートされた3DGSオブジェクトは多数のポリゴン面の集合として保持される。各面はビューまたはカメラに正対するよう向きを更新することで初めて3DGSとして正しく表示される。「Camera Updates」は,カメラまたはビューの移動時にこの面の向きの更新を自動実行する機能である。アニメーションレンダリングではフレームごとに更新が必要となるため,本機能を有効にする。

マテリアル設定の「HQモード」(高品質モード)は最終レンダリング用のマテリアル設定であり,「LQモード」(低品質モード)は作業中の表示に適した簡略マテリアル設定である。

  1. シーンの準備が整ったら,3DGSオブジェクトを選択し「Enable Camera Updates」を有効にする
  2. 「Use Active Camera」をオンにし,3DGSオブジェクトの面がアクティブカメラに自動で追従して向きを更新するよう設定する
  3. アニメーションを再生し,必要な編集を行う
  4. 「HQ / LQ」メニューでスキャンのマテリアルを「HQ」に切り替える
  5. F12キーで1フレームをレンダリングし,設定を確認する
  6. 設定を確認した後,アニメーション全体をレンダリングする

4. 高度な機能と最適化

表示モードの使い分け

作業中の描画負荷を抑えるため,編集作業ではLQモードまたは「Show as Point Cloud」を使用し,最終レンダリング時にHQモードへ切り替える。大きな3DGSファイルでは「Show as Point Cloud」での作業により表示遅延を抑制できる。

カメラカリングによるアーティファクト除去

3DGSのスキャンデータには,カメラ近傍に浮遊する不要なスプラット(フローティングスプラットアーティファクト)が含まれる場合がある。「Camera Cull」モディファイアの「Closer Than」パラメータ(カメラからこの距離より近いスプラットを描画対象から除外する閾値)を調整することで,これらのアーティファクトを除去できる。

レンダリング高速化

HQモードでは,ビューポートおよびレンダリングのサンプル数を1に設定することで処理を高速化できる。公式ドキュメントでは,シェーディングが「Shadeless」(陰影計算を行わないモード)に設定されている場合に,サンプル数1での運用が案内されている。

アニメーションレンダリング

5. 制限事項と注意点

6. サンプル3DGSファイルの入手

詳細な操作および高度な機能については,公式ドキュメントを参照されたい。