Blenderの物理ベースレンダリング(Cycles)の使用
【概要】
Cyclesは、Blenderに標準搭載された物理ベースパストレーサー(物理法則に基づいて光線の経路をシミュレーションするレンダリング方式)である。ここでは、レンダーエンジンをCyclesに切り替える方法、物理ベースの質感を表すPrincipled BSDFシェーダーの使い方、GPUレンダリングの設定、レンダリングの実行方法を説明する。
【目次】
【関連する外部ページ】
- Blenderの公式ページ: https://www.blender.org/
- Cyclesの公式ページ: https://www.cycles-renderer.org/
- Cyclesの GPU レンダリングの公式ドキュメント: https://docs.blender.org/manual/en/latest/render/cycles/gpu_rendering.html
【サイト内の関連情報】
前準備
Blenderは,3次元コンピュータグラフィックス・アニメーションソフトウェアである.3次元モデルの編集,レンダリング,光源やカメラ等の設定による3次元コンピュータグラフィックス・アニメーション作成機能がある.
メニューの日本語化を行っておくと使いやすい.「編集(Edit)→プリファレンス(Preferences)→インターフェイス(Interface)→翻訳(Translation)」で設定できる.
レンダーエンジンをCyclesに切り替える
Blenderには、Cycles(物理ベースパストレーサー)とEEVEE(リアルタイムレンダーエンジン)という2種類のレンダーエンジンが標準搭載されている。物理ベースレンダリングを行うには、Cyclesを選択する。
- プロパティの画面で、「レンダープロパティ(Render Properties)」タブをクリックする。
- 「レンダーエンジン(Render Engine)」のドロップダウンから「Cycles」を選択する。
Principled BSDFで物理ベースの質感を設定する
Principled BSDF(プリンシプルBSDF)は、Blenderの既定のシェーダー(材質の質感を計算するノード)であり、OpenPBR Surfaceというシェーディングモデルに基づいている。金属・非金属・半透明な物体など、幅広い材質を1つのノードで表現できる。
- オブジェクトモードで、質感を設定したいオブジェクトを選択する。
- プロパティの画面で、「マテリアルプロパティ」をクリックする。マテリアルが未設定の場合は「新規(New)」をクリックする。すると、Principled BSDFを使ったマテリアルが作成される。
- 「サーフェス(Surface)」内の各項目を設定する。主な項目は次のとおりである。
- ベースカラー(Base Color):材質の基本となる色。
- 粗さ(Roughness):表面の粗さ。0.0で鏡のような反射、1.0で拡散反射になる。
- メタリック(Metallic):金属らしさの度合い。0.0で非金属、1.0で完全な金属になる。
- IOR:屈折率。材質によって異なる値を持ち、既定値の1.5はガラスに近い値である。
- アルファ(Alpha):不透明度。1.0で完全に不透明になる。
GPUレンダリングの設定
GPU(グラフィックスカード)を使ってCyclesのレンダリングを高速化できる。使用するGPUの種類(NVIDIAのCUDA・OptiX、AMDのHIP、IntelのoneAPI、AppleシリコンのMetal)に応じて設定する。
- Blenderの「編集(Edit)」→「プリファレンス(Preferences)」→「システム(System)」タブを開く。
- 「Cycles レンダーデバイス(Cycles Render Devices)」の項目で、使用するGPUの種類(CUDA、OptiX、HIP、oneAPI、Metalのいずれか)を選択し、使用したいデバイスにチェックを入れる。
- プリファレンスを閉じ、「レンダープロパティ」タブの「デバイス(Device)」を「GPU Compute」に変更する。
NVIDIA製GPUの利用条件は、CUDAでは Compute Capability 5.0 以上、OptiXでは Compute Capability 5.0 以上かつドライバのバージョン 575 以上である。OptiXはRTX世代のGPUのハードウェアレイトレーシング機能を利用するため、対応GPUではOptiXを選ぶと性能が向上する。AMD製GPUのHIPはRDNA1以降、Intel製GPUのoneAPIはArc(Xe HPG)以降、AppleのMetalはAppleシリコン(macOS 13.0 以降)が必要である。
レンダリングの実行
- 3Dビューポートで、カメラの位置と向きを確認する。
- 「F12キー」を押すと、レンダリングが実行される。
- レンダリング結果は、レンダリング結果ウィンドウ(画像エディター)に表示される。「画像(Image)」→「保存(Save)」で画像ファイルとして保存できる。