Blenderの物理ベースレンダリング(Cycles)の使用

概要

Cyclesは、Blenderに標準搭載された物理ベースパストレーサー(物理法則に基づいた光線の経路をシミュレーションするレンダリング方式)である。特別な調整をしなくても、物理的に正確な結果が得られるように設計されている。ここでは、レンダーエンジンをCyclesに切り替える方法、物理ベースの質感を表すPrincipled BSDFシェーダーの使い方、GPUレンダリングの設定、レンダリングの実行方法を説明する。

目次

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前準備

Blenderは,3次元コンピュータグラフィックス・アニメーションソフトウェアである.3次元モデルの編集,レンダリング,光源やカメラ等の設定による3次元コンピュータグラフィックス・アニメーション作成機能がある.

メニューの日本語化を行っておくと使いやすい.「編集(Edit)→プリファレンス(Preferences)→インターフェイス(Interface)→翻訳(Translation)」で設定できる.

レンダーエンジンをCyclesに切り替える

Blenderには、Cycles(物理ベースパストレーサー)とEEVEE(リアルタイムレンダーエンジン)という2種類の主要なレンダーエンジンが標準搭載されている。物理ベースレンダリングを行うには、Cyclesを選択する。

  1. プロパティの画面で、「レンダープロパティ(Render Properties)」タブをクリックする。
  2. レンダーエンジン(Render Engine)」のドロップダウンから「Cycles」を選択する。

Principled BSDFで物理ベースの質感を設定する

Principled BSDF(プリンシプルBSDF)は、Blenderの既定のシェーダー(材質の質感を計算するノード)であり、OpenPBR Surfaceというシェーディングモデルに基づいている。金属・非金属・半透明な物体など、幅広い材質を1つのノードで表現できる。

  1. オブジェクトモードで、質感を設定したいオブジェクトを選択する。
  2. プロパティの画面で、「マテリアルプロパティ」をクリックする。マテリアルが未設定の場合は「新規(New)」をクリックする。すると、Principled BSDFを使ったマテリアルが自動的に作成される。
  3. サーフェス(Surface)」内の各項目を設定する。代表的な項目は次のとおりである。
    • ベースカラー(Base Color):材質の基本となる色。
    • 粗さ(Roughness):表面の粗さ。0.0で鏡のような反射、1.0で拡散反射になる。
    • メタリック(Metallic):金属らしさの度合い。0.0で非金属、1.0で完全な金属になる。
    • IOR:屈折率。材質によって異なる値を持ち、既定値の1.5はガラスに近い値である。
    • アルファ(Alpha):透明度。1.0で完全に不透明になる。

GPUレンダリングの設定

GPU(グラフィックスカード)を使ってCyclesのレンダリングを高速化できる。使用するGPUの種類(NVIDIAのCUDA・OptiX、AMDのHIP、IntelのoneAPI、AppleシリコンのMetalなど)に応じて設定する。

  1. Blenderの「編集(Edit)」→「プリファレンス(Preferences)」→「システム(System)」タブを開く。
  2. Cycles レンダーデバイス(Cycles Render Devices)」の項目で、使用するGPUの種類(CUDA、OptiX、HIP、oneAPI、Metalのいずれか)を選択し、使用したいデバイスにチェックを入れる。
  3. プリファレンスを閉じ、「レンダープロパティ」タブの「デバイス(Device)」を「GPU Compute」に変更する。

NVIDIA製GPUでOptiXを使う場合、ドライバのバージョンは535以上、対応するCompute Capabilityは5.0以上が必要である。OptiXはRTX世代のGPUに搭載されたハードウェアレイトレーシング機能を活用するため、対応GPUではOptiXを選ぶと性能が向上する。

レンダリングの実行

  1. 3Dビューポートで、カメラの位置と向きを確認する。
  2. F12キー」を押すと、レンダリングが実行される。
  3. レンダリング結果は、専用のレンダリング結果ウィンドウ(画像エディター)に表示される。「画像(Image)」→「保存(Save)」で画像ファイルとして保存できる。