TensorFlow GPU 版 1.15.5,Python 3.7 のインストールと動作確認(Windows 上)

目次

  1. Visual Studio Community 2017 のインストール
  2. NVIDIA ドライバ,NVIDIA CUDA ツールキット 10.0,NVIDIA cuDNN 7.6.5 のインストール
  3. Python 3.7 64 ビット版のインストール,pip と setuptools の更新,Python 開発環境のインストール(Windows 上)
  4. TensorFlow 1.15.5, Keras, MatplotLib, Python 用 opencv-python のインストール(Windows 上)
  5. TensorFlow の動作確認

TensorFlow 1.15.5 を動かすため:

ここでは,次の方針で設定する.

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先人に感謝.

このWebページに記載しているプログラムは https://github.com/tensorflow/tensorflow#download-and-setup をもとに作成

Visual Studio Community 2017 のインストール

NVIDIA CUDA 10.0 は Visual Studio Commnity 2017, 2015, 2013, 2012 と連携して動く機能がある.

NVIDIA CUDA 10.0 のインストールの前に, Visual Studio Commnity 2017 のインストールを行う.

Visual Studio Commnity 2017 のインストールは, https://visualstudio.microsoft.com/ja/vs/older-downloads/ で「2017」を選び,「ダウンロード」をクリック. その後表示されるダウンロードの画面で, 「Visual Studio Commnity 2017」を選ぶ. インストール時には「C++ によるデスクトップ開発」をチェックしてインストールする.

NVIDIA ドライバ,NVIDIA CUDA ツールキット 10.0,NVIDIA cuDNN 7.6.5 のインストール

GPUとは

GPUは,グラフィックス・プロセッシング・ユニット(Graphics Processing Unit)の略です.その高い並列計算能力から,3次元コンピュータグラフィックス,3次元ゲーム,動画編集,科学計算,ディープラーニングなど,並列処理が必要な幅広い分野で活用されています.

NVIDIA CUDA ツールキット

NVIDIA CUDA ツールキット は,NVIDIA社が提供する GPU 用のツールキットである.GPU を用いた演算のプログラム作成や動作のための各種機能を備えている.ディープラーニングでも利用されている.

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NVIDIA CUDA ツールキットのインストール時の注意点

NVIDIA CUDA ツールキットの動作に必要なもの

Windows でインストールするときの注意点

NVIDIA cuDNN

NVIDIA cuDNN は,NVIDIA CUDA ツールキット上で動作する、高性能なディープラーニング用ライブラリです.畳み込みニューラルネットワーク (CNN) やリカレントニューラルネットワーク (RNN) など,さまざまなディープラーニングモデルのトレーニングと推論を高速化します.

cuDNN利用時の注意点: zlibwapi.dll エラー

Windows環境でcuDNNを利用するアプリケーションを実行した際に、「Could not locate zlibwapi.dll. Please make sure it is in your library path!」というエラーが表示されることがあります。これは、cuDNNの一部の機能が圧縮ライブラリである zlib に依存しているためです。このエラーが発生した場合は、後述する手順で ZLIB DLL をインストールする必要があります。

関連する外部ページ

NVIDIA cuDNN のインストール時の注意点

NVIDIA cuDNN の動作に必要なもの

NVIDIA ドライバ

NVIDIA ドライバは,NVIDIA 社製の GPU を動作させるのに必要なドライバである.次の NVIDIA の公式サイトからダウンロードできる.ダウンロードのときは,使用しているオペレーティングシステムとGPUに適したものを選ぶこと.

関連する外部ページNVIDIA ドライバのダウンロードの公式ページ: https://www.nvidia.co.jp/Download/index.aspx?lang=jp

以下,インストールの注意点をまとめている. Windows での NVIDIA ドライバ,NVIDIA CUDA ツールキット 10.0NVIDIA cuDNN 7.6.5 のインストールの詳細は別ページ »で説明

① TensorFlow 1.15.5 が必要とする NVIDIA CUDA ツールキットと NVIDIA cuDNN のバージョンの確認

TensorFlow 1.15.5 を動かすために,NVIDIA CUDA ツールキット 10.0NVIDIA cuDNN 7.6.5 を使う.

(10.2, 10.1 は不可.実際に試みて検証済み).

NVIDIA CUDA ツールキット 10.0NVIDIA cuDNN 7.6.5 の根拠: cudart64_100.dll, cudnn64_7.dll が必要

② NVIDIA ドライバ,NVIDIA CUDA ツールキット 10.0,NVIDIA cuDNN 7.6.5 のインストールでの注意点

NVIDIA ドライバのインストールでの注意点まとめ(Windows 上)

NVIDIA CUDA ツールキット 10.0 インストールでの注意点まとめ(Windows 上)

NVIDIA cuDNN のインストールでの注意点まとめ(Windows 上)

Python 3.7 のインストール(Windows 上)

Pythonは,プログラミング言語の1つ.

手順

  1. Windows で,コマンドプロンプト管理者権限で起動する(例:Windowsキーを押し,「cmd」と入力し,「管理者として実行」を選択)
  2. 次のコマンドを実行

    次のコマンドは,Python ランチャーとPython 3.7をインストールする.

    winget install --scope machine Python.Launcher
    winget install --scope machine Python.Python.3.7
    

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関連項目Python

TensorFlow 1.15.5, Keras, MatplotLib, Python 用 opencv-python のインストール(Windows 上)

設定の要点

システム環境変数 TF_FORCE_GPU_ALLOW_GROWTH の設定: true

インストール手順

  1. Windows で,コマンドプロンプト管理者権限で起動する(例:Windowsキーを押し,「cmd」と入力し,「管理者として実行」を選択)
  2. 使用する Python 3.7 のバージョンの確認
    py -3.7 --version
    
  3. pip と setuptools の更新

    pip install ...」は,Python パッケージをインストールするためのコマンド.

    py -3.7 -m pip install -U pip setuptools
    
  4. TensorFlow, Keras 関係のパッケージのアンインストール操作

    トラブルの可能性を減らすために,関係のパッケージのアンインストールを行っておく.

    Windowspip を実行するときは,コマンドプロンプト管理者として開き,それを使って pip を実行することにする.

    py -3.7 -m pip uninstall -y tensorflow tensorflow-cpu tensorflow-gpu tensorflow-intel tensorflow-text tensorflow-estimator tf-models-official tf_slim tensorflow_datasets tensorflow-hub keras keras-tuner keras-visualizer
    
  5. インストールのため,次のコマンドを実行する.
    • 「tensorflow==1.15.5」のところでTensorFlow のバージョンを指定している.
    • TensorFlow の GPU 版をインストールしている.TenforFlow の GPU 版は,GPU がない場合には CPU を使って動作する.
    • numpy, protobuf, keras, matplotlib, pandas, scipy は旧バージョンをインストール.
    py -3.7 -m pip install -U numpy==1.16.2 protobuf==3.19.4 tensorflow-gpu==1.15.5 keras==2.3.1 scipy==1.5.4 pillow pydot matplotlib==3.4.3 seaborn pandas==1.1.5 scipy==1.5.4 scikit-learn scikit-learn-intelex opencv-python opencv-contrib-python
    py -3.7 -m pip install git+https://github.com/tensorflow/docs
    py -3.7 -m pip install git+https://github.com/tensorflow/examples.git
    py -3.7 -m pip install git+https://www.github.com/keras-team/keras-contrib.git
    

    TensorFlow のインストールのとき,「Could not find a version that satifies the requirement tensorflow==1.15.5」のように表示される場合には,インストールされている Python が新しすぎるか,古すぎる.

    TensorFlow GPU 版 1.15 を動かすには,Python 3.6 か Python 3.7 を使うこと. Windows での Python 3.6 のインストールは,別ページ »で説明 Python 3.7 のインストールは,別ページ »で説明

  6. Windowsシステム環境変数 TF_FORCE_GPU_ALLOW_GROWTH に,true を設定

    Windows で,コマンドプロンプト管理者権限で起動する(例:Windowsキーを押し,「cmd」と入力し,「管理者として実行」を選択)

    次のコマンドを実行

    powershell -command "[System.Environment]::SetEnvironmentVariable(\"TF_FORCE_GPU_ALLOW_GROWTH\", \"true\", \"Machine\")"
    

動作確認

TensorFlow がインストールできたかを確認したい.

  1. Windows では,コマンドプロンプトを実行.
  2. TensorFlow のバージョン確認
    py -3.7 -c "import tensorflow as tf; print( tf.__version__ )"
    
  3. (GPU を使うとき) TensorFlow からGPU が認識できているかの確認
    py -3.7 -c "from tensorflow.python.client import device_lib; print(device_lib.list_local_devices())"
    

    実行結果の中に,実行結果の中に,次のように「device_type: "GPU"」があれば,GPUが認識できている.エラーメッセージが出ていないことを確認しておくこと.

    ここで,GPU があるのに,TensorFlow から認識されていないかもしれない.

    その場合は,Windows での NVIDIA ドライバ,NVIDIA CUDA ツールキット 10.0NVIDIA cuDNN 7.6.5 のインストールを確認すること.

    Windows での NVIDIA ドライバ,NVIDIA CUDA ツールキット 10.0NVIDIA cuDNN 7.6.5 のインストール: 別ページ »で説明

TensorFlow 2 のプログラム例

このWebページに記載しているプログラムは https://github.com/tensorflow/tensorflow#download-and-setup をもとに作成.

  1. TensorFlow がインストールできたかを確認したい.

    Windows で Python プログラムを動かす.

    メッセージを表示するプログラム

    結果として 「b'Hello, TensorFlow!'」のように表示されるので確認する.

    py -3.7
    import tensorflow as tf
    hello = tf.constant('Hello, TensorFlow!')
    sess = tf.Session()
    result = sess.run(hello)
    print(result)
    sess.close()
    exit()