Windows での,NVIDIA ドライバ,NVIDIA CUDA ツールキット 11.5.2,NVIDIA cuDNN v8.3.3 のインストール,nvcc の使用例をスクリーンショット等で説明する.
このページでは,TensorFlow 2.8 の運用を想定している.TensorFlow の他のバージョンでも同様の手順になる(TensorFlow のインストールは別ページ »で説明).
【目次】
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GPUは,グラフィックス・プロセッシング・ユニット(Graphics Processing Unit)の略である.3次元コンピュータグラフィックスや3次元ゲーム,動画編集,仮想通貨のマイニング,科学計算,ディープラーニングなど,並列処理が必要な幅広い分野で活用されている..
NVIDIA CUDA ツールキット は,NVIDIA社が提供する GPU 用のツールキットである.GPU を用いた演算のプログラム作成や動作のための各種機能を備えている.ディープラーニングでも利用されている.
【サイト内の関連ページ】
【関連する外部ページ】
【NVIDIA CUDA ツールキットの動作に必要なもの】
Windows で,NVIDIA グラフィックス・ボードの種類を調べたいときは,hwinfo (URL: https://www.hwinfo.com) を使って調べることができる.また、Windowsのデバイスマネージャーでも確認可能である.
次のページから,最新版の NVIDIA ドライバをダウンロードできる.
【Windows でインストールするときの注意点】
Windows のユーザ名が日本語のとき,nvcc がうまく動作しないエラーを回避するためである.
ユーザ環境変数 TEMP に「C:\TEMP」を設定するために, コマンドプロンプトで,次のコマンドを実行する.
mkdir C:\TEMP powershell -command "[System.Environment]::SetEnvironmentVariable(\"TEMP\", \"C:\TEMP\", \"User\")"
NVIDIA cuDNN は, NVIDIA CUDA ツールキット上で動作するディープラーニング・ライブラリである. 畳み込みニューラルネットワークや リカレントニューラルネットワークなど,さまざまなディープラーニングで利用されている.
Windows で,NVIDIA cuDNN の利用時に 「Could not locate zlibwapi.dll. Please make sure it is in your library path!」と表示されるときは, ZLIB DLL をインストールすること.
【関連する外部ページ】
【NVIDIA cuDNN の動作に必要なもの】
Windows で,NVIDIA グラフィックス・ボードの種類を調べたいときは, hwinfo (URL: https://www.hwinfo.com) を使って調べることができる.
最新のNVIDIA CUDA ツールキットでは動かないということもあるので注意.
ZLIB DLL は,データの圧縮と展開(解凍)の機能を持ったライブラリ.
ZLIB DLL のインストールを行うため, Windows で,コマンドプロンプトを管理者として実行
コマンドプロンプトを管理者として実行: 別ページ »で説明
次のコマンドを実行.
但し,「v11.8」のところは,実際にインストールされている NVIDIA CUDA ツールキットのバージョンを確認し,読み替えてください.
コマンドプロンプトを管理者として実行: 別ページ »で説明
cd "C:\Program Files\NVIDIA GPU Computing Toolkit\CUDA\v11.8\bin" curl -O http://www.winimage.com/zLibDll/zlib123dllx64.zip powershell -command "Expand-Archive -Path zlib123dllx64.zip" copy zlib123dllx64\dll_x64\zlibwapi.dll .
NVIDIA Developer Program の公式ページ: https://developer.nvidia.com/developer-program
NVIDIA ドライバは,NVIDIA 社製の GPU を動作させるのに必要なドライバである.次の NVIDIA の公式サイトからダウンロードできる.ダウンロードのときは,使用しているオペレーティングシステムとGPUに適したものを選ぶこと.
【関連する外部ページ】
NVIDIA ドライバのダウンロードの公式ページ: https://www.nvidia.co.jp/Download/index.aspx?lang=jp
Tensorflowは,Google 社によりリリースされた強力な機械学習フレームワークである.Python,C/C++ 言語から利用することができ,CPU,GPU,TPU 上で動作する.TensorFlow の特徴の一つは,「データフローグラフ」という概念である.データフローグラフは,データの流れを定めるもので,グラフ内の節点はオペレーション(演算)であり,エッジは節点間を流れるデータ(テンソル)を表す.ここでいう「オペレーション(演算)」は,TensorFlow が提供する様々な処理の単位である.TensorFlow を使うことで,機械学習のアプリケーションをより簡単に作成することができるようになる.TensorFlow は,音声,画像、テキスト,ビデオなど,様々なタイプのデータを利用できる.TensorFlow は,2015年11月に最初のバージョンがリリースされた.
TensorFlow GPU 版の動作に必要なもの(2023年4月時点)
Windows で,NVIDIA グラフィックス・ボードの種類を調べたいときは, hwinfo (URL: https://www.hwinfo.com) を使って調べることができる.
TensorFlow の動作に,cudart64_110.dll, cusolver64_11.dll, cudnn64_8.dll が必要であるため,NVIDIA CUDA ツールキット 11 をインストールする.
注意点の1:NVIDIA CUDA ツールキット 11は,NVIDIA cuDNN が対応しているものを選ぶこと. 新しいNVIDIA CUDA ツールキット 11では,NVIDIA cuDNN が対応していない場合がある.詳細は,NVIDIA cuDNN のページ https://developer.nvidia.com/cudnn で確認できる.
注意点の2:NVIDIA CUDA ツールキット は,バージョン12 でなくバージョン11 の最新版を使うこと.バージョン 12 は,2023年 4月に Tensorflow 2.10.1 で試したが動作しなかった.
最新の NVIDIA cuDNNに対応するNVIDIA CUDA ツールキットのバージョンは,
古いバージョンである2.4.4 あるいはそれ以前のバージョン のTensorFlow を使う場合は, 最新の NVIDIA cuDNNを使わないこと. 詳しくは,別ページ »で説明
Build Tools for Visual Studio 2019(ビルドツール for Visual Studio 2019)は,Windows で動くMicrosoft の C++ コンパイラーである.
(例)cl hello.c
「cl hello.c」でコンパイルしたときは「hello.exe」ファイルができるので確認
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Build Tools for Visual Studio 2019 は,Windows で動くMicrosoft の C++ コンパイラーである.
Windows での Visual Studio Community 2019 のインストール: 別ページ »で説明している.
Visual Studio Community 2019 に, Build Tools for Visual Studio 2019の機能が含まれている.
Build Tools for Visual Studio 2019 のインストールを行う.
【関連する外部ページ】
NVIDIA ドライバは、NVIDIA 社製の GPU(グラフィックス・プロセッシング・ユニット)を動作させるためにも必要なソフトウェアである.
Windows で,NVIDIA グラフィックス・ボードの種類を調べたいときは, hwinfo (URL: https://www.hwinfo.com) を使って調べることができる.
NVIDIA ドライバは,以下の NVIDIA 公式サイトからダウンロードできる.ダウンロードのときに,使用しているグラフィックス・ボードとオペレーティングシステムを選ぶ.
https://www.nvidia.co.jp/Download/index.aspx?lang=jp
【サイト内の関連ページ】
NVIDIA CUDA ツールキット は,NVIDIA社が提供する GPU 用のツールキットである.GPU を用いた演算のプログラム作成や動作のための各種機能を備えている.ディープラーニングでも利用されている.
Windows のユーザ名が日本語のとき,nvcc がうまく動作しないエラーを回避するためである.
ユーザ環境変数 TEMP に「C:\TEMP」を設定するために, コマンドプロンプトで,次のコマンドを実行する.
mkdir C:\TEMP powershell -command "[System.Environment]::SetEnvironmentVariable(\"TEMP\", \"C:\TEMP\", \"User\")"
ここでは,NVIDIA CUDA ツールキットの11.5 系列の最新版を選んでいる.
Windows 11 のときは,「11」を選んでください.
既定(デフォルト)のままでよい.「OK」をクリック.
「CUDA」にチェックする.その他は,必要なものがあればチェックする.「次へ」をクリック.
このとき,NVIDIA ドライバを選択することもできる(NVIDIA ドライバが未インストールであれば,インストールする).
このとき,処理に時間がかかる場合がある.処理が終わるのを待つ.
複数の版の NVIDIA CUDA ツールキットをインストールする場合には,古い版のNVIDIA CUDA ツールキットをインストールするときに「CUDA」だけを選ぶようにする.
表示されなくても問題はない.
表示された場合には,次のように判断する.
ここで,NVIDIA CUDA ツールキットのインストールを中止. 先に, Visual Studio 2019 のインストールを行う.
NVIDIA CUDA ツールキットのインストールを中止する必要はない.
あとで構わないので,Build Tools for Visual Studio 2019 (ビルドツール for Visual Studio 2019)のインストールを行っておく (Build Tools for Visual Studio 2019 (ビルドツール for Visual Studio 2019)のインストールが終わっていても,Visual Studio Community のインストールを行っていない場合には,この表示は出る).
Visual Studio をインストールしていないときは,Nsight for Visual Studio はインストールされない.
※ 「コンピュータを再起動してください」と表示される場合がある.そのときは,再起動する.
リリースハイライトを確認したら,「x」をクリックして閉じる.
そして「お使いのGPU向けの新しいドライバーが入手可能です」と表示されることがある.そのときは,新しいドライバをインストールする.
Windows のユーザ名が日本語のとき,nvcc がうまく動作しないエラーを回避するためである.
ユーザ環境変数 TEMP に「C:\TEMP」を設定するために, コマンドプロンプトで,次のコマンドを実行する.
mkdir C:\TEMP powershell -command "[System.Environment]::SetEnvironmentVariable(\"TEMP\", \"C:\TEMP\", \"User\")"
バージョン 11.5.2 の場合
次のように自動設定される.
C:\Program Files\NVIDIA GPU Computing Toolkit\CUDA\v11.5\bin C:\Program Files\NVIDIA GPU Computing Toolkit\CUDA\v11.5\libnvpp
※ 複数の版の CUDA ツールキットをインストールする場合には, 複数のパスが設定される このとき・古い版の方が先に来ている場合には、後になるように調整する
バージョン 11.5.2 の場合
次のように自動設定される.
C:\Program Files\NVIDIA GPU Computing Toolkit\CUDA\v11.5
※ 複数の版の CUDA ツールキットをインストールしている場合には,最後にインストールしたものが設定される
バージョン 11.5.2 の場合
システム環境変数 CUDA_PATH_V11_5
次のように自動設定される.
C:\Program Files\NVIDIA GPU Computing Toolkit\CUDA\v11.5
nvcc にパスが通っていることを確認する
Windows のコマンドプロンプトを開き,次のコマンドを実行する. エラーメッセージが出ないことを確認.
where nvcc
【インストールの概要】
Windows では,基本,NVIDIA cuDNN のインストールは,次の手順になる.
zip ファイルを展開したら,展開先の下の bin にパスを通す.
システム環境変数 CUDNN_PATH の設定のため, Windows で,コマンドプロンプトを管理者として実行
コマンドプロンプトを管理者として実行: 別ページ »で説明
powershell -command "[System.Environment]::SetEnvironmentVariable(\"CUDNN_PATH\", \"C:\Program Files\NVIDIA GPU Computing Toolkit\CUDA\v11.5\", \"Machine\")"
パスが通っていることの確認のため, コマンドプロンプトを開き,次のコマンドを実行する.エラーメッセージが出ないことを確認.
where cudnn64_8.dll
コマンドプロンプトを管理者として実行: 別ページ »で説明
次のコマンドを実行
「v11.5」のところは,実際にインストールされている NVIDIA CUDA ツールキットのバージョンを確認し,読み替えてください.
cd "C:\Program Files\NVIDIA GPU Computing Toolkit\CUDA\v11.5\bin" curl -O http://www.winimage.com/zLibDll/zlib123dllx64.zip powershell -command "Expand-Archive -Path zlib123dllx64.zip" copy zlib123dllx64\dll_x64\zlibwapi.dll .
NVIDIA cuDNN のダウンロードのため.
「Join now」をクリック.その後,画面の指示に従う. 利用者本人が,電子メールアドレス,表示名,パスワード,生年月日を登録.利用条件等に合意.
このとき,画面の「for CUDA ...」のところを確認し,使用するNVIDIA CUDA のバージョンに合うものを選ぶこと.
そのために,Windows で,コマンドプロンプトを管理者として実行
コマンドプロンプトを管理者として実行: 別ページ »で説明
次のコマンドを実行
powershell -command "$oldpath = [System.Environment]::GetEnvironmentVariable(\"Path\", \"Machine\"); $oldpath += \";c:\Program Files\NVIDIA\CUDNN\v8.3\bin\"; [System.Environment]::SetEnvironmentVariable(\"Path\", $oldpath, \"Machine\")"
コマンドプロンプトを管理者として実行: 別ページ »で説明
次のコマンドを実行
powershell -command "[System.Environment]::SetEnvironmentVariable(\"CUDNN_PATH\", \"C:\Program Files\NVIDIA\CUDNN\v8.3\", \"Machine\")"
Windows のコマンドプロンプトを開き,次のコマンドを実行する.エラーメッセージが出ないことを確認.
where cudnn64_8.dll
起動は,Windows のメニューで「Visual Studio 2019」の下の「x64 Native Tools コマンドプロンプト (x64 Native Tools Command Prompt)」を選ぶ.「x64」は,64ビット版の意味である.
※ 32ビットのNative Tools コマンドプロンプトでは nvcc が動かない.
以下の操作は,x64 Native Tools コマンドプロンプトで行う
エラーメッセージが出ていないことを確認.
where cl
https://devblogs.nvidia.com/easy-introduction-cuda-c-and-c/に記載のソースコードを使用. まず,エディタを開く. ここではメモ帳 (notepad) を使っている.
x64 Native Tools コマンドプロンプト で,次のコマンドを実行する. ファイル名は hello.cu としている.
cd %HOMEPATH% notepad hello.cu
その後,ファイルを編集し,ファイルを保存.
エディタで hello.cuのようなファイル名で保存.
「nvcc hello.cu」で a.exe というファイルができる. 「Max error: 0.000000」と表示されればOK.
うまく動かないときは,まず,マイクロソフト C++ ビルドツールの動作を,別ページの手順により確認し,異常があれば,マイクロソフト C++ ビルドツールのインストールなどで対処.それでも動かないときは,NVIDIA CUDA ツールキット 11.5.2 のインストールしたときの作業に間違いがなかったかを再確認.
del a.exe nvcc hello.cu
.\a.exe
付属のサンプルプログラムを Visual Studio Community 2019 の C++ を用いてビルドし実行してみる.
Visual Studio Community 2019 のインストールを行う.
しばらく待つ
これは、SDK のバージョンに起因するエラーを回避するための操作
※ ビルドの終了までしばらく待つこと.