Pythonプログラミング講座:基礎から応用まで(全15回)(目次)

【概要】 トピックは,Pythonの基本的な概念から始まり,プログラミングの導入,変数と入出力,条件分岐,繰り返し,関数,クラスとオブジェクト指向プログラミング,データ構造(リストと辞書),アルゴリズム,そして他のプログラミング言語の紹介まで幅広く網羅している.学習者がプログラミングスキルを体系的に習得できるよう設計されている.また,計算誤差やプログラミングの創造性など,プログラミングの実践的側面も取り上げられている.

このページは,大学で使用された自作の教育資料を公開するためのページである.クリエイティブ・コモンズBY NC SAライセンスの下で公開している.

目次

  1. pf-1. プログラミングの基礎と Python 言語入門 [PDF], [パワーポイント], [HTML]
  2. pf-2. プログラミング入門:タートルグラフィックスとコードコンバットによる演習 [PDF], [パワーポイント], [HTML]
  3. pf-3. Python入門:プログラミングの基礎と創造的学習への発展 [PDF], [パワーポイント], [HTML]
  4. pf-4. 変数,代入,入力と出力 [PDF], [パワーポイント], [HTML]
  5. pf-5. 計算誤差 [PDF], [パワーポイント], [HTML]
  6. pf-6. 条件分岐,ステップ実行 [PDF], [パワーポイント], [HTML]
  7. pf-7. 繰り返し,リスト [PDF], [パワーポイント], [HTML]
  8. pf-8. 式の抽象化と関数 [PDF], [パワーポイント], [HTML]
  9. pf-9. 関数呼び出し [PDF], [パワーポイント], [HTML]
  10. pf-10. クラス定義,オブジェクト生成,メソッド,属性 [PDF], [パワーポイント], [HTML]
  11. pf-11. クラス階層,継承 [PDF], [パワーポイント], [HTML]
  12. pf-12. 辞書 [PDF], [パワーポイント], [HTML]
  13. pf-13. アルゴリズム [PDF], [パワーポイント], [HTML]
  14. pf-14. さまざまなプログラミング言語 [PDF], [パワーポイント], [HTML]
  15. pf-15. データの種類 [PDF], [パワーポイント], [HTML]

(資料は,AI による推敲,要約の作成を実施)

外部ページへのリンク(Python 関連)

【サイト内の関連ページ】

Python のインストール

Python開発環境の選択と活用:効率的なプログラミングのためのガイド

資料

Python開発環境の選択と活用:効率的なプログラミングのためのガイド: [PDF], [パワーポイント]

概要

Python開発環境は,プログラミングの効率と品質を向上させる重要な基盤である.開発環境は大きく分けて,ローカル環境とオンライン環境の2種類が存在する.ローカル環境には,コマンドプロンプトによる基本的な実行環境から,Visual Studio Code,Spyder,Jupyterノートブックなどの統合開発環境まで,様々な選択肢がある.これらの環境は,プログラムの作成・編集・実行という基本機能に加え,シンタックスハイライト,自動補完,自動インデントなどの開発支援機能を備えている.特にSpyderは科学技術計算やデータ分析に特化し,Jupyterノートブックはプログラムとドキュメントを一体化できる特徴を持つ.

一方,Google Colaboratory,Trinket,Python Tutor,Repl.itなどのオンライン環境は,インストール不要で即座にプログラミングを開始できる利点がある.特にPython Tutorは,変数探索やステップ実行をビジュアルに表示できる学習支援機能を備えている.これらの開発環境は,それぞれが異なる特徴と長所を持っており,作業の目的や内容に応じて適切な環境を選択することで,開発効率を最大限に高めることができる.

キーワードとその説明文

  1. Python実行環境

    プログラミング言語Pythonを実行するための基盤となる環境である.複数の環境での実行が可能であり,コマンドプロンプトのような基本的なものから高度な統合開発環境まで,目的に応じて選択できる.作業内容に適した環境を選ぶことで,開発効率が大きく向上する.

  2. コマンドプロンプト

    最も基本的なPython実行環境であり,Windowsではpythonコマンドで起動する.プログラムを入力するたびに結果が得られる対話的実行が特徴で,exit()コマンドで終了する.シンプルな構造ながら,直接的なプログラム実行が可能である.

  3. 統合開発環境

    プログラムの作成・編集・実行から結果表示まで,開発に必要な機能を一つのソフトウェアにまとめた環境である.シンタックスハイライトや自動補完などの支援機能を備え,効率的なプログラム開発を実現する.Visual Studio CodeやSpyderなどが代表的である.

  4. Visual Studio Code

    Microsoftが開発した多言語対応の統合開発環境である.編集画面でプログラムを編集し,ターミナルで実行結果を確認できる.デバッグ機能による変数探索が可能で,豊富な言語対応が特徴的である.

  5. Spyder

    科学技術計算やデータ分析に特化した開発環境である.Anacondaに含まれており,編集画面でのプログラム編集とコンソールでの実行結果確認が可能である.グラフ表示や画像表示が容易で,変数エクスプローラーによる変数値の確認が特徴である.

  6. Jupyterノートブック

    対話型の開発環境で,Anacondaに含まれている.プログラム,実行結果,テキスト,画像を含む全体をノートブック形式で保存できる.コードセルとテキストセルを組み合わせることで,プログラムとドキュメントを一体化できる特徴がある.

  7. シンタックスハイライト

    プログラムのコード内の要素を色分けして表示する機能である.キーワード,変数,文字列などを異なる色で表示することで,コードの可読性を向上させ,エラーの発見を容易にする.

  8. 自動補完

    プログラムコードの入力支援機能である.変数名や関数名の一部を入力すると,予測される候補を表示し,選択することでコードを完成できる.入力の効率化とタイプミスの防止に役立つ.

  9. 自動インデント

    プログラムの構造を視覚的に分かりやすくする機能である.制御構文やループ,関数定義などで,適切な字下げを自動的に行う.コードの階層構造を明確にし,可読性の向上とエラー防止に貢献する.

  10. 変数探索

    プログラム実行中の変数の値や状態を確認できる機能である.Spyderの変数エクスプローラーでは,プログラム終了後も変数確認が可能で,データの検証やデバッグに有用である.

  11. デバッグ機能

    プログラムの不具合を発見し修正するための機能である.変数の値の確認や実行過程の追跡が可能で,Visual Studio Codeなどの統合開発環境に実装されている.効率的なコード開発とエラー修正を支援する.

  12. コードセル

    Jupyterノートブックで使用される,プログラムコードを記述するための区画である.個別に実行が可能で,実行結果はセルの直下に表示される.プログラムを部分的に実行して結果を確認できる特徴がある.

  13. テキストセル

    Jupyterノートブックで使用される,説明文や数式を記述するための区画である.マークダウン形式でテキストを記述でき,プログラムの説明や実行結果の解説を含めることができる.

  14. Google Colaboratory

    Jupyterノートブックをオンラインで利用できる開発環境である.グラフ表示や画像表示が可能で,AIに関連する多くのパッケージが事前にインストールされている.Google Driveとの統合により,データの保存と共有が容易である.

  15. Trinket

    教育目的に適したオンライン開発環境である.タートルグラフィックスをサポートし,作成したプログラムを他者が容易に実行できる特徴がある.ウェブブラウザ上で即座にプログラミングを開始できる.

  16. Python Tutor

    プログラムの学習に特化したオンライン開発環境である.変数探索やステップ実行をビジュアルに表示でき,プログラムの動作を視覚的に理解できる.コードの実行過程を1行ずつ確認できる機能が特徴である.

  17. Repl.it

    多数のプログラミング言語をサポートするオンライン開発環境である.グラフ表示や画像表示が簡単にでき,必要なパッケージの追加も可能である.リアルタイムの共同編集機能を備え,複数人での開発に適している.

  18. ステップ実行

    プログラムを1行ずつ実行し,その時点での変数の値の変化を確認できる実行方式である.プログラムの動作を細かく追跡でき,不具合の発生箇所の特定やプログラムの学習に有用である.

  19. 通常実行

    プログラムを最初から最後まで一度に実行する方式である.プログラム実行中の変数の値の変化を確認することは困難だが,完成したプログラムの実行に適している.

  20. ノートブック形式

    プログラムコード,実行結果,説明文,画像,数式などを1つのファイルにまとめて保存できる形式である.高い再現性を持ち,実行の一連の手順を記録して後から確認できる.ドキュメント化と結果の共有に適している.

1. プログラミングの基礎と Python 言語入門:創造的なデジタルスキル

資料

pf-1. プログラミングの基礎と Python 言語入門:創造的なデジタルスキル: [PDF], [パワーポイント], [HTML]

概要

プログラミングは,コンピュータに指示を出して所定の作業を遂行させる創造的な活動である.プログラムを利用することで,複雑な作業を自動化でき,作業の再現性と柔軟な調整も可能である.プログラミングは人間の力を増幅し,私たちができることを大幅に広げる技術であり,論理的思考力の向上や問題解決能力の育成にも役立つ.

Python言語は,読みやすく書きやすい文法構造を持ち,幅広い応用範囲を特徴とするプログラミング言語である.シンプルなスクリプトから高度なプログラムまで,さまざまな規模の開発に対応できる柔軟性を備えている.Web開発,データ分析,ゲーム開発,IoT,サイバーセキュリティ,人工知能など,その応用分野は多岐にわたる.

プログラミングを学ぶ環境として,Trinketなどのオンラインツールやパソコンでのローカル実行環境が提供されており,初学者から上級者まで,それぞれの段階に応じた学習が可能である.プログラミングは未来の技術を学ぶ楽しさがあり,自分のアイデアを形にすることで得られる達成感も大きい.

演習

プログラムの例を示している.これは,次回以降で扱う内容の簡単な予習にもなっている.
# 基本的な計算の例
print("1. 基本的な計算例")
a = 10
b = 5
print("足し算:", a, "+", b, "=", a + b)
print("掛け算:", a, "×", b, "=", a * b)

# 簡単な繰り返し処理
print()
print("2. 1から5までを表示")
for i in range(1, 6):
    print(i)

# 条件分岐の例
print()
print("3. 数字の正負判定")
number = -3
if number > 0:
    print(number, "は正の数である")
elif number < 0:
    print(number, "は負の数である")
else:
    print("これは0である")

キーワードとその説明文

  1. コンピュータシステム

    コンピュータはプログラムに従って動作し,プログラムからの指示により所定の作業を遂行する基本的な仕組みを持つシステムである.この関係がコンピュータシステムの基礎となっている.

  2. プログラム

    コンピュータに対して具体的な指示を出し,所定の作業を遂行させる一連の命令群である.複雑な作業も自動化でき,コンピュータの動作を細かくコントロールすることが可能である.

  3. プログラミング

    プログラムを設計し作成するプロセスであり,創造的な活動である.シミュレーション,大量データ処理,AI連携,ITシステム制作など,さまざまな活動で役立つ技術として活用される.

  4. 自動化

    プログラムを利用することで,複雑な作業を含む多くの処理を自動的に実行できる特徴である.人間の作業を効率化し,より多くの成果を生み出すことを可能にする.

  5. 作業の再現性

    プログラムで行った作業をいつでも同じ条件で再現できる特徴である.一度作成したプログラムは,必要なときに何度でも同じ結果を得ることができる.

  6. プログラムの柔軟性

    プログラムは変更により動作を簡単に調整できる特徴を持つ.必要に応じて機能を追加したり,動作を修正したりすることが容易である.

  7. クリエイティブ性

    プログラミングは未来の技術を学ぶ楽しさがあり,視覚的なプログラムを書くことでゲーム感覚を持って学習できる創造的な活動である.

  8. 達成感

    自分のアイデアを形にし,問題が生じたときは自分で解決していくプロセスを通じて,大きな充実感が得られる活動である.自分の手でプログラムを完成させることで達成感を得られる.

  9. Python言語

    多くの人々に利用されているプログラミング言語の一つであり,読みやすさ,書きやすさ,幅広い応用範囲を特徴とする.シンプルなスクリプトから高度なプログラムまで対応できる.

  10. シンプルな文法

    Pythonは直感的で読みやすい文法構造を持つ.print文による出力,if文やelse文による条件分岐,forやwhile文による繰り返しなど,理解しやすい命令体系を備えている.

  11. 拡張性

    Pythonは多岐にわたる分野で利用が可能である.関数やクラスを定義するdefやclass,継承やオブジェクトの属性名と値を操作するsuperやvarsなど,高度な機能も備えている.

  12. 柔軟性

    Pythonはシンプルなスクリプトも高度なプログラムも作成可能な柔軟性を持つ.基本的な計算から複雑なシステム開発まで,さまざまな規模の開発に対応できる.

  13. Trinket

    オンラインでPythonやHTMLなどを学習できるウェブサイトである.ブラウザで動作し,プログラムの公開と共有が可能で,標準機能に加え外部ライブラリも利用できる学習環境を提供する.

  14. プログラミング処理系

    作成したPythonプログラムをパソコン上で実行するために必要なソフトウェア環境である.プログラムファイルを保存し,コマンドラインから実行することができる.

  15. アプリケーション

    Webブラウザやワープロソフトなど,プログラムが動作してさまざまな機能を実現するソフトウェアである.プログラムによって多様なアプリケーションを作成できる.

  16. コンピュータ制御

    Pythonを使ってニューラルネットワークを作成するなど,プログラムによってコンピュータの動作を細かく制御することができる.AIシステムの構築なども可能である.

  17. コンピュータ間連携

    ネットワークを介したコンピュータ同士の接続や,サーバによるサービス提供など,ITシステムの構築においてプログラムが重要な役割を果たす.

  18. 活用領域

    プログラミングは人間の力を増幅し,できることを大幅に広げる技術である.論理的思考力の向上や問題解決能力の育成にも役立ち,デジタル社会での必須スキルとなっている.

  19. 応用分野

    Web開発,データ分析,ゲーム開発,IoT,サイバーセキュリティなど,プログラミングの応用分野は多岐にわたる.それぞれの分野で特有の技術やフレームワークが活用されている.

  20. 人工知能(AI)

    人間の思考を模倣し超えることを目指す最先端技術である.自然言語処理,コンピュータビジョン,予測モデリングなど,現在も発展が続く刺激と興奮に満ちた分野である.

2. プログラミング入門:タートルグラフィックスとコードコンバットによる演習

資料

pf-2. プログラミング入門:タートルグラフィックスとコードコンバットによる演習: [PDF], [パワーポイント], [HTML]

概要

プログラミングの基礎概念として,オブジェクトとメソッドが重要である.オブジェクトはコンピュータでの操作や処理の対象となるものであり,メソッドはそのオブジェクトが持つ機能や操作を表す.メソッドを実行する際には,操作の詳細を指定する引数を設定できる.これらの概念を実践的に学ぶための二つの手法が提供されている.一つ目はタートルグラフィックスである.画面上を移動する亀の形をしたポインタを使って絵を描くことができ,gotoやforward,rightなどのメソッドを用いて図形を描画する.プログラムの動作を視覚的に理解でき,論理的思考力や課題解決力の向上にもつながる.二つ目はコードコンバットである.ゲーム形式でプログラミングを学ぶことができ,キャラクターを動かすためのプログラムを作成しながら,段階的にプログラミングスキルを向上させることができる.

演習

タートルグラフィックスで簡単な図形を描く演習

import turtle
t = turtle.Turtle()
t.goto(0, 100)
t.goto(100, 100)
t.goto(100, 0)
t.goto(0, 0)

このプログラムは正方形を描く.実行すると,

  1. 最初に亀は(0,0)にいる
  2. 上に移動して(0,100)に行く
  3. 右に移動して(100,100)に行く
  4. 下に移動して(100,0)に行く
  5. 最後に左に移動して元の位置(0,0)に戻る

Trinket のページ https://trinket.io/python/f29bfe71cd で実際に試してみる.

「実行」ボタンをクリック.亀が移動して正方形を描く様子が見えるはずである.

少し変化をつけて三角形を描いてみる. プログラムを次のように変更し, 「実行」ボタンをクリック. 上に直線を引き そこから右下に斜めの線を引き 最後に左に戻る線を引いて 三角形が完成する.

import turtle
t = turtle.Turtle()
t.goto(0, 100)
t.goto(100, 0)
t.goto(0, 0)

キーワードとその説明文

  1. オブジェクト:コンピュータでの操作や処理の対象となるものである.プログラム上で様々な機能や操作を実行できる単位として扱われ,特定の属性や動作を持つ(例:タートルグラフィックスにおける「t」というオブジェクトは,画面上を移動して図形を描く能力を持つ).
  2. メソッド:オブジェクトが持つ機能や操作を表すものである.オブジェクトの能力として実行可能な動作を定義し,ドット記法で呼び出される(例:「t.goto(100,0)」において,gotoはメソッドであり,指定された座標への移動機能を実行する).
  3. 引数:メソッドが行う操作の詳細に関する情報を指定するものである.メソッド呼び出し時に括弧内に記述され,操作の具体的な値や対象を設定する(例:「t.goto(0,100)」において,0と100は移動先の座標を示す引数である).
  4. クラス:同じ種類のオブジェクトの集まりを定義するものである.オブジェクト生成時にはクラス名を指定し,そのクラスの特徴を持つオブジェクトが作られる(例:「t = turtle.Turtle()」では,Turtleクラスからオブジェクトを生成している).
  5. タートルグラフィックス:カーソル(画面上を移動する亀の形をしたポインタ)を使って絵を描くプログラミング機能である.プログラムの動作を視覚的に理解でき,論理的思考力や課題解決力の向上にも役立つ.
  6. 座標系:タートルグラフィックスにおける位置指定の基準となるシステムである.原点(0,0)を中心に,横方向(x軸)と縦方向(y軸)の値で位置を指定する.プラスの値は右方向と上方向,マイナスの値は左方向と下方向を示す.
  7. gotoメソッド:タートルグラフィックスにおける指定した座標に直接移動するためのメソッドである.横方向の値と縦方向の値を引数として指定することで,画面上の任意の位置に移動できる(例:「t.goto(0,100)」で座標(0,100)に移動する).
  8. forwardメソッド:タートルグラフィックスにおける現在の向きに対して指定した距離だけ前進するメソッドである.移動量を引数として指定し,その分だけ直線的に進む動作を行う.
  9. backwardメソッド:タートルグラフィックスにおける現在の向きに対して指定した距離だけ後退するメソッドである.移動量を引数として指定し,その分だけ直線的に戻る動作を行う.
  10. rightメソッド:タートルグラフィックスにおける現在の向きから右回りに回転するメソッドである.回転角度を引数として指定し,その分だけ時計回りに方向を変える動作を行う.
  11. leftメソッド:タートルグラフィックスにおける現在の向きから左回りに回転するメソッドである.回転角度を引数として指定し,その分だけ反時計回りに方向を変える動作を行う.
  12. コードコンバット:プログラミングの基礎をゲーム形式で学べる学習プラットフォームである.キャラクターを動かすためのプログラムを作成しながら,段階的にプログラミングスキルを向上させることができる.無料で基本5レベルまでのPython学習が可能である.
  13. attackメソッド:コードコンバットにおいて,指定した対象に攻撃を行うメソッドである.「hero.attack("fence")」のように対象を引数として指定することで,特定のオブジェクトに対する攻撃動作を実行する.
  14. プログラム実行:コードコンバットでプログラムコードの動作を確認するための機能である.実行ボタンをクリックすることで,入力されたプログラムに従ってキャラクターが動作し,その結果を視覚的に確認できる.
  15. ヒント機能:コードコンバットの支援機能である.ヒントボタンをクリックすることで,現在の課題に関する解決のヒントを参照でき,プログラミング学習を効果的に進めることができる.
  16. 装備選択:コードコンバットにおいて,利用可能なアイテムや機能を選択する仕組みである.ダブルクリックで装備を選択でき,レベルが上がるにつれて新しい装備が追加され,それに応じて使用できるメソッドも増える.

3. Python入門:プログラミングの基礎と創造的学習への発展

資料

資料: pf-3. Python入門:プログラミングの基礎と創造的学習への発展[PDF], [パワーポイント], [HTML]

概要

プログラミングは,コンピュータに指示を出し所定の作業を遂行させるプログラムを作成する創造的な活動である.その中でもPythonは,読みやすさと書きやすさを特徴とし,幅広い応用範囲を持つプログラミング言語として注目されている.

Pythonプログラミングの基礎として,変数による値の保存と参照,オブジェクトとそのメソッドの活用,そして適切なコーディングスタイルの理解が重要である.これらの基本要素を学ぶ環境として,ブラウザベースのTrinketが活用でき,プログラムの作成から実行,共有までをシームレスに行うことができる.

プログラミング学習を通じて,論理的思考力や問題解決能力が育成される.特に,グラフィックスプログラミングでは,座標指定による描画,繰り返し処理,色指定などの基本技術を活用しながら,創造的なプログラム作成に取り組むことができる.

このような学習過程において,基本から応用へと段階的に進みながら,自らの興味や関心に基づいて新しい機能を探求し,プログラミングの楽しさと達成感を体験することができる.

演習

次のプログラムを確認し,実行することにより,プログラミングの基本を確認できる.

https://trinket.io/python/13c67e43c3ff

import turtle
from time import sleep

print("このプログラムでは、以下を実行します:")
print("1. 変数と計算")
print("2. ユーザー入力")
print("3. グラフィック描画")

# 変数と計算の基礎
name = input("あなたの名前を入力してください: ")
print("こんにちは、", name, "さん!")

# 数値計算
print("簡単な計算をしてみましょう")
num1 = int(input("1つ目の数字を入力してください: "))
num2 = int(input("2つ目の数字を入力してください: "))

sum_result = num1 + num2
print("足し算の結果: ", num1, "+", num2, "=", sum_result)

# グラフィック描画
print()
print("図形を描いてみましょう!")
print("画面に星形を描きます...")

# Turtle初期化
screen = turtle.Screen()
t = turtle.Turtle()
t.speed(3)  # 描画速度を設定

# 星を描く
t.penup()
t.goto(-50, 0)
t.pendown()

for i in range(5):
    t.forward(100)
    t.right(144)

t.penup()
t.goto(-100, -100)
t.pendown()
t.color('blue')
t.write(name + "さんの最初のPython作品!", font=("Arial", 12, "normal"))

print()
print("おめでとうございます!基本的なプログラミングの要素を学びました:")
print("1. 変数の使用")
print("2. ユーザーからの入力受け取り")
print("3. 計算処理")
print("4. グラフィック描画")

screen.exitonclick()

キーワードとその説明文

  1. プログラミング コンピュータに指示を出し,所定の作業を遂行させるためのプログラムを作成する創造的な活動である.論理的思考力や問題解決能力を高めながら,自分のアイデアを形にすることができる.
  2. Python 読みやすさと書きやすさを重視して設計されたプログラミング言語である.幅広い応用範囲を持ち,初学者にも扱いやすい特徴を持つ.
  3. 変数 プログラム内で名前を付けて利用するオブジェクトであり,値を保存し後から参照できる仕組みである.例えば「x = 100」のように値を保存でき,プログラム内で何度でも参照や更新が可能である.
  4. 代入 変数に値を保存する基本的な操作である.「x = 100」のように記述することで,指定した名前の変数に値を保存する.保存された値は上書きすることも可能である.
  5. オブジェクト コンピュータでの操作や処理の対象となるものである.様々な機能や操作(メソッド)を持ち,プログラム内で扱う基本的な単位となる.
  6. メソッド オブジェクトが持つ機能や操作を表す.オブジェクトの能力に相当し,「t.goto(0,100)」のように,オブジェクト名の後にドット記号を付けて呼び出す.
  7. 引数 メソッドが行う操作の詳細に関する情報である.メソッド呼び出し時に括弧内に指定し,「goto(0,100)」の場合,0と100が引数となる.
  8. インデント Pythonプログラムにおけるブロックの区切りを示す字下げである.通常タブまたは4つの半角スペースを使用し,プログラムの構造を視覚的に表現する.
  9. コーディングスタイル プログラムを読みやすく整理するための規則である.インデントによるブロックの区切り,行頭の「#」によるコメント,読みやすさのための空白行の挿入などが含まれる.
  10. Trinket オンラインで利用可能なPython学習環境である.ブラウザで動作し,プログラムの作成,実行,共有が可能で,標準機能に加え外部ライブラリも利用できる.
  11. 論理的思考力 プログラミングを通じて養われる重要な能力である.プログラムの作成過程で,問題を分析し,解決手順を論理的に組み立てる力が培われる.
  12. 問題解決能力 プログラミング学習を通じて向上する能力である.プログラムの作成と実行を通じて,コンピュータの動作原理を学びながら,様々な課題に対する解決力を高める.
  13. ソースコード プログラミング言語で書かれたプログラムの内容である.人間が読み書き,編集できる形式で表現され,プログラムの動作を理解し改変するための基礎となる.
  14. goto命令 Turtle グラフィックスにおける基本的な移動命令である.「t.goto(0,100)」のように座標を指定することで,描画位置を直接指定できる.
  15. forward命令 Turtle グラフィックスにおける前進命令である.現在の向きに対して指定された距離だけ直線移動を行う基本的な描画命令である.
  16. 座標指定 グラフィックス描画における位置の指定方法である.x座標とy座標を用いて二次元平面上の位置を指定し,描画位置の制御に使用する.
  17. 繰り返し処理 同じ処理を複数回実行する制御構造である.「for i in range(3)」のように記述し,図形の描画や処理の自動化に活用できる.
  18. 色指定 グラフィックス描画における色の設定である.「t.color("red")」のように色名を指定することで,描画する線や図形の色を変更できる.

4. 変数,代入,入力と出力

資料: pf-4. 変数,代入,入力と出力 [PDF], [パワーポイント], [HTML]

5. 計算誤差

資料: pf-5. 計算誤差 [PDF], [パワーポイント], [HTML]

6. 条件分岐,ステップ実行

資料: pf-6. 条件分岐,ステップ実行 [PDF], [パワーポイント], [HTML]

7. 繰り返し,リスト

資料: pf-7. 繰り返し,リスト[PDF], [パワーポイント], [HTML]

8. 式の抽象化と関数

資料: pf-8. 式の抽象化と関数 [PDF], [パワーポイント], [HTML]

9. 関数呼び出し

資料: pf-9. 関数呼び出し [PDF], [パワーポイント], [HTML]

10. クラス定義,オブジェクト生成,メソッド,属性

資料: pf-10. クラス定義,オブジェクト生成,メソッド,属性 [PDF], [パワーポイント], [HTML]

11. クラス階層,継承

資料: pf-11. クラス階層,継承 [PDF], [パワーポイント], [HTML]

12. 辞書

資料: pf-12. 辞書 [PDF], [パワーポイント], [HTML]

13. アルゴリズム

資料: pf-13. アルゴリズム [PDF], [パワーポイント], [HTML]

14. さまざまなプログラミング言語

資料: pf-14. さまざまなプログラミング言語 [PDF], [パワーポイント], [HTML]

15. データの種類

資料: pf-15. データの種類 [PDF], [パワーポイント], [HTML]